Googleの「Pixel 3/3 XL」はiPhoneの対抗馬になるか? カギは「AI」にあり石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2018年10月14日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 “Made by Google”のPixelが、ついに日本に上陸する。Googleは10月11日、Pixelシリーズの最新モデル「Pixel 3」と「Pixel 3 XL」を11月1日に発売すると発表。SIMロックフリー版をGoogleが自ら販売する他、大手キャリアではドコモとソフトバンクが取り扱いを表明している。満を持して導入されるPixelだが、その特徴やGoogleの狙いはどこにあるのか。過去、Googleが手掛けてきたデバイスとの違いなども含め、本連載で解説したい。

Pixel 3 11月1日に発売となるGoogleの「Pixel 3」(右)と「Pixel 3 XL」(左)

リードデバイスから位置付けが変化した「Googleのスマートフォン」

 「Googleのスマートフォン」として鳴り物入りで上陸したPixel 3/3 XLは、ハードウェアの設計からGoogle自身が手掛けたモデルだ。Googleは、ハードウェア事業を強化する一環として、HTCのPixel開発チームを2018年1月に買収。ノウハウを蓄積してきた。Pixel 3/3 XLにも「アクティブエッジ」と呼ばれる、握ってGoogleアシスタントを起動する機能が搭載されているが、これもHTCが先に導入していたもの。同社の技術を一部吸収する形で実現したとみられる。

Pixel 3 アクティブエッジを搭載しており、端末を強めに握ることでGoogleアシスタントを呼び出せる

 Pixel以前にも、GoogleはNexusシリーズを手掛けており、日本でも販売されてきた経緯がある。イー・モバイル(現Y!mobile)が取り扱ったNexus 5のように、価格と機能のバランスがよく、大ヒットした製品も存在する。一方で、Nexusシリーズはあくまで「リードデバイス」を出発点にしており、Androidアプリ開発者向けのレファレンスモデルといった色合いが濃かった。

 当時取材したGoogleの上級副社長、ヒロシ・ロックハイマー氏は、同社がハードウェアを学び、どのような実装をOSにしていけばいいのかを理解するためのデバイスでもあると語っていた。ただ、Nexusシリーズも端末そのものはGoogle名義で販売されていた一方で、製造は基本的にそれぞれの担当メーカーに委ねていた。最後のモデルとなったNexus 5XであればLGエレクトロニクス、Nexus 6PであればHuaweiといった具合で、デザインにもやや統一感がなく、端末ごとにメーカー色が強く出ていた。

Pixel 3 リードデバイスとして、開発者用の標準機的な色合いが濃かったNexusシリーズ。写真はHuawei製の「Nexus 6P」

 このNexusシリーズを一歩推し進めてリブランドしたのが、Pixelシリーズだ。以前はメーカー名も併記されていたが、PixelではメーカーはOEMとして製造だけを担う格好となり、「Google製」を打ち出している。メーカーをどう定義するかにもよるが、Google自身が主導権を握り、統一感あるブランドとして展開していくシリーズといえば理解しやすいだろう。

Pixel 3 端末にはGoogleのロゴのみを記載。シリーズを通して、デザインにも統一感を出している

 そのため、Nexusのときのような標準機を超えた機能も搭載されている。Pixel 3/3 XLに関していえば、日本語対応するGoogleレンズを他の端末に先駆けいち早く搭載する他、先に挙げたアクティブエッジもPixelの独自機能だ。AIを活用した各種機能も、Android標準ではなく、GoogleがPixelのために味付けしたもの。メーカーにOSを提供しつつPCを自ら手掛けるMicrosoftのSurfaceに近い役割で、Androidスマートフォンの将来像を示すための端末といえる。

Pixel 3 Googleレンズに対応しており、カメラからシームレスに呼び出せる

 Nexusシリーズのときよりも一歩踏み込んでメーカーとして端末を販売するだけに、ユーザーに必要とされる機能も積極的に搭載した。その1つが、FeliCaだ。日本版のPixel 3/3 XLはFeliCaを搭載し、おサイフケータイやGoogle PayでSuica、iD、楽天Edyなどのサービスを利用できる。

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