Googleの「Pixel 3/3 XL」はiPhoneの対抗馬になるか? カギは「AI」にあり石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2018年10月14日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
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Pixel 3/3 XLはiPhoneの対抗馬になるか?

 Googleが垂直統合的に手掛けたPixelは、「iPhone対抗馬」と評されることが多い。実際、Pixelの発表会でも、HDRの性能をiPhone XSと比較したり、データ移行ツールの先に接続されていた端末がiPhoneだったりと、Appleを強く意識していることがうかがえた。グローバルのシェアではiOSを大きく上回るAndroidだが、端末単位で見ると販売台数はiPhoneが多く、メーカー別のシェアでも2位もしくは3位につけている。ここにGoogleが割って入った構図と捉えるのは、不自然なことではないだろう。

 一方で、メーカーが本業であるAppleと比べると、やはりまだ解決すべき課題は多い。1つ目が販路だ。日本では、先に述べた通り、ドコモやソフトバンクが取り扱いを表明しているが、KDDIは「ラインアップ全体の考えがある中で、今回については導入を見送った」と、商品企画本部 プロダクト企画部長の大井龍太郎氏は述べている。

Pixel 3 日本ではドコモとソフトバンクが取り扱うが、KDDIは販売を見送った

 大手3社のうち1社だけが導入しないのはキャリアにとってマイナス要因にもなりかねないが、Googleにとっては大きな販路が1つ欠けてしまったと見ることもできる。Googleは日本でも販売体制やマーケティング体制を強化し、人員を増やしているようだが、iPhoneに対抗できる規模になるには、まだまだ時間がかかりそうだ。特に日本では、キャリア経由の販売が全体の8割から9割を占めているため、3キャリアの攻略は必須といえる。

 グローバルで見ても、Pixelシリーズは展開する国や地域が少なく、米調査会社IDCのフランシスコ・ジェロニモ氏がTwitterで公開したデータによると、2017年の販売台数は390万台にとどまっている。Appleはもちろん、Samsung、Huawei、OPPO、Xiaomiなどの上位メーカーと比べたとき、まだ十分対抗できる規模になっていないのが実情だ。

Pixel 3 米調査会社のガートナーが発表した第2四半期のメーカー別シェア。上位メーカーと比べると、販売台数はまだ圧倒的に少ない

 ハードウェアとAI、ソフトウェアを掛け合わせて特徴を出しているPixelだが、ともすれば、ファーストインプレッションはハードウェアで訴求するAndroid端末よりも“地味”なものになりかねない。Snapdragon 845を搭載し、ディスプレイもきれいな印象はあるが、ハードウェアだけを横並びで見ると、他のAndroid端末に軍配が上がる点も多い。使ってみて初めて分かる便利な機能もあるが、ユーザーに訴求するのは時間がかかりそうだ。

 とはいえ、これだけのAIを実装できるメーカーはまだ少なく、ブランド力の高いGoogleのスマートフォンということで話題性も十分だ。ワイモバイルが販売するAndroid Oneがヒットしていることを考えると、ピュアAndroidを求めるニーズは決して小さくない。Googleが直接手掛けているため、アプリ開発者の需要も取り込める。iPhone対抗馬に育つにはまだ時間がかかりそうだが、Nexusシリーズのときよりも一般のユーザーに広がる可能性は高いといえる。

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