Huawei Consumer Business GroupのCEO、リチャード・ユー氏は8月31日(現地時間)、ドイツ・ベルリンで開催中の「IFA 2018」にて基調講演を行った。講演のタイトルは「The Ultimate Power of AI」。そこで、AI専用プロセッサを内蔵したことで注目を集めた「Kirin 970」に続く、新しいプロセッサ「Kirin 980」を発表した。そのKirin 980を搭載する最初のモデルとして、10月16日にロンドンにて、「HUAWEI Mate 20シリーズ」を発表することを予告した。
ユー氏は、まずスマートフォンにおけるAIの有効性として、カメラの被写体・シーン認識、翻訳、低電力のAR、アシスタント機能などを挙げた。そして「最もパワフルかつ知的で、世界初の7nmプロセスのモバイルAIチップセット」として、Kirin980を発表した。
Kirin 980は、前世代のKirin 970に比べてパフォーマンスが75%アップし、バッテリー効率も58%アップしたとのこと。また、Qualcomm製のプロセッサで、現行機種に搭載されるものでは最も高性能な「Snapdragon 845」と比較しても、圧倒的に優位な性能を実現したことをアピールした。
Kirin 980は、2つの大きなコアと、2つの中ぐらいのコア、さらに4つの小さなコアを組み合わせた8コアで構成されている。大きなコアは2.6GHzでパワーを要する作業に用いて、中間のコアは1.92GHzで動作の持続、そして1.8GHzの4つのコアは省電力に効果を発揮する。
GPUには、世界で初めて「Mail-G76」を搭載。Kirin 970と比べて、パフォーマンスが46%、バッテリー効率が178%もアップするとしている。これにより、ゲームをプレイする際のパフォーマンスが大きく向上。Snapdragon 845と比較したデモも披露された。
新しいDual ISP(Image Signal Processor)により、カメラ性能の向上も実現している。AIチップセットの要となるのが「NPU(Neural network Processing Unit)」だが、Kirin 970では1つだったが、Kirin 980では「Dual-NPU」となり、画像を認識する性能が3倍に向上したという。さらに、動画撮影時での被写体の検出、正確なレンダリングにも効果を発揮する。
通信面では最も進んだ4.5G LTEの技術を採用しており、最大1.4Gbpsの高速通信に対応することもアピールした。
Kirin 980の優位性を存分にアピールした最後に、このプロセッサを初めて搭載するスマートフォンが「HUAWEI Mate 20シリーズ」であり、10月16日にロンドンで発表することが案内された。
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