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PayPay「100億円あげちゃうキャンペーン」の先に期待するもの

» 2018年12月03日 15時14分 公開
[田中聡ITmedia]

 100億円を還元するという、コード決済サービス「PayPay」の盛大なキャンペーンが、いよいよ12月4日にスタートします。支払い額の20%がPayPayボーナスとして還元されるというもので、実質的なキャッシュバックです。20%還元の上限は月5万円なので、毎月25万円分の買い物をすれば、5万円相当の電子マネーがたまることになります。

PayPay PayPayの「100億円上げちゃうキャンペーン」

 使える場所は、コンビニではファミリーマートが名乗りを上げ、1万7000店舗でPayPayが導入されます。ただコンビニだけで月に25万円も使うのは難しそう……だけど、ビックカメラやヤマダ電機などの量販店でも導入されるので、家電がガジェットの購入を考えている人には朗報です。10万円のスマホなら2万円、15万円のスマホなら3万円が“キャッシュバック”されるわけです。

PayPay PayPayが使えるビックカメラでも、20%還元キャンペーンを告知している

 しかも、抽選で40回に1回、Yahoo!プレミアム会員なら20回に1回、ソフトバンクとY!mobileのユーザーなら10回の1回の確率で、1回の会計につき10万円相当まで全額が還元される特典もあるので、運が良ければ、10万円のスマホがタダで手に入る……なんてこともあります。

 PayPayはコード決済サービスとしては後発ですが、100億円還元という荒技を使って一気に攻めてきました。これだけお得だったら使わざるを得ません。でも、気になるのがキャンペーン終了後。PayPayの100億円キャンペーンは2019年3月31日までですが、それまでに100億円の還元が終わったらキャンペーンは終了します。しかもその後のキャンペーンは未定のため、キャンペーンが終わったら一気にユーザーが離れる恐れもあります。

 筆者は今モバイル決済では主に「Apple Pay」を使っていますが、非接触決済の方がスピーディーなので、コード決済はほとんど使っていません。キャンペーン中は筆者もPayPayを使うと思いますが、終わって他にお得だと感じるものがなければApple Payに戻るでしょう。キャンペーンはPayPayの認知を上げる狙いもあるでしょうが、キャンペーンが終わった後も、長くPayPayを継続して使ってもらうかの仕掛けも重要になるでしょう。

 個人的には、既存のモバイル決済サービスが対応していないような、中小店舗での対応にも期待しています。名の知れたチェーン店にしても、例えば筆者(都内在住)の近所にある「さぼてん」「てんや」「かつや」「日高屋」などは、いまだにクレジットカードも電子マネーも使えません。大型のコンビニは、既に多くの決済サービスが導入されているので、PayPayのキャンペーンが終わったら使わなくなる可能性が高いですが、こうした店舗に導入されれば、PayPayの利用率は上がるでしょう。PayPayは「ユーザー数も店舗数もナンバーワンを目指す」と宣言しているので、期待しています。

PayPay

※この記事はメールマガジン「ITmedia デジタルライフスタイル通信」から転載、加筆したものです。購読申込はこちら


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