Huawei・ZTE製ネットワーク機器 ソフトバンクはどう扱う?(1/3 ページ)

» 2018年12月20日 15時30分 公開
[井上翔,ITmedia]

 米国を中心に、5G(第5世代移動体通信システム)のネットワーク機器の調達において、HuaweiやZTEといった中国メーカーを事実上“排除”する動きが相次いで見られる。

 日本では12月10日、政府が「IT 調達に係る国の物品等又は役務の調達方針及び調達手続に関する申合せ」(PDF形式)を実施。同月14日に総務省が電波監理審議会に諮問した「第5世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設に関する指針」(PDF形式)では、5G基地局の開設申請者に対し、この申し合わせへの「留意」を求めている。

 これら申し合わせや指針が、日本の大手キャリアが5Gネットワーク機器において「中国メーカー外し」をすることにつながるという指摘が複数の報道でなされている。

 その中でも特に注目を集めているのがソフトバンクだ。同社は4G(4G LTE・AXGP)用の一部基地局でHuaweiやZTEの機器を利用しており、特にHuaweiとは「Massive MIMO」の導入や5Gの実証実験において密接なつながりがある。

 今後、ソフトバンクは中国メーカーとどのように付き合っていくのか――12月19日に行われた上場記者会見で、同社の宮川潤一副社長(CTOを兼務)と藤原和彦専務(CFOを兼務)が記者からの質問に答えた。この記事ではその主なやりとりを紹介する。

質疑応答 上場記者会見での質疑応答に臨む宮川副社長、宮内社長と藤原専務

政府のガイドラインを待ちたい

―― 中国の通信機器メーカーとの関係についてお尋ねします。御社は、5Gはもちろん、既存の4G(LTE)についても、基地局などのネットワーク機器を今後Huaweiを含む中国メーカーから納入しないという旨が報じられています。

 現状の中国の通信機器メーカーに対するスタンスを聞かせてください。

宮内社長 この件については、政府のガイドラインを見極めたいと思っています。

 宮川(副社長)と一緒に、政府のさまざまな人とも会ってきました。(政府の方針次第では)私たちにも当然リスクがあるので、いろいろなオルタナティブ(代替となる選択肢)を常に検討しています。

 (ネットワークの)コアな部分については、ヨーロッパのベンダーに変えざるを得ないかなとは思っているが、本当の意味での答申なりガイドラインなりが出ない限り、早計に動くべきではないと思っています。

宮川副社長 今現在において、4GネットワークにはHuaweiやZTEが基地局を受け持っているエリアがあります。

 (ソフトバンクの4Gネットワークは)元々、ヨーロッパのベンダーだけ展開してきた経緯もあり、(今でも)基本はヨーロッパのベンダーが中心の構成です。

 8年ほどHuaweiの基地局を導入してきて、(Huaweiの)テクノロジーはものすごく良いという感想を持っています。技術力があって、それでいて(機器の)価格も安いので、Huaweiとお付き合いしていきたいのはやまやまなのですが、最終的には日本政府の方針に従いたいと思っています。

 ガイドラインが出てきたら、それに沿った形で取り組みたいと思っています。

―― ということは、(中国メーカーの機器を導入するかどうかの)決断はまだしていないということですか。

宮川副社長 その通りです。

―― 先ほどの質問に関連して、先ほどの基地局に関するお答えは、現行の4G向けのものを念頭にお答えいただいたのでしょうか。

宮川副社長 先ほどの宮内(社長)の回答は、コア(ネットワークの中核)側の設備について話したもので、4Gネットワークや固定回線を含めたものです。

 この点については現在、政府関係者ともいろいろとご相談をさせていただいているところですが、(ソフトバンクのコア機器には)セキュリティ上問題となる(中国メーカー製の)機材はあまり入っていません。先ほども言った通り、(4Gネットワークは)ヨーロッパのベンダーでコアを構成しています。

 (コアの)構成については、もう少し議論を詰めてから(会社としての)意思決定をしたいと考えています

5Gでは6社のベンダーを検討中

―― 先般、総務省が5Gの割り当て指針(PDF形式)を公表しましたが、それに対する受け止めと、5Gにおいて中国メーカー製機器をどう扱うのか、聞かせてください。

宮川副社長 正直にいって、今までにない項目があるとは認識しています。例えば「(機器の)ベンダー名を明記する」といった、今までに経験のない条件が盛り込まれています。

 「この機材ではこのベンダーを使いたい」ということを(申請書に)しっかり盛り込んで、(免許の)取得にまい進していきたいと思います。

―― 一部、(ソフトバンクが)5G向けにどのベンダーの機器を導入する・しないかの方針を固めたという旨の報道がありますが、どうなのでしょうか。

宮川副社長 5Gのライセンス(免許)の割り当ては2019年3月末の予定なので、現時点では「まだ意思決定はしていない」というのが正式回答となります。

 現時点では、6社のベンダーにRFP(提案依頼書)を提出して、5G機器の最終的な価格と仕様書を出してもらうようにお願いをしていますが、どこを選ぶかはまだ決めていません。

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