今週、5日にソフトバンク、6日にソフトバンクグループの決算会見が行われた(海外出張中のため、ストリーミング配信で視聴)。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2019年2月9日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。
国内通信部門が上場して初めての決算会見。これまでは、孫社長が国内通信部門やスプリント、ヤフー、さらにはビジョンファンドをまとめて説明していたが、今回からは国内通信会社は宮内社長、ビジョンファンドは孫社長といった分業体制になったので、見ている側としては、ソフトバンクおよびグループの中身や戦略がはっきりと見えて、かなり満足な内容になった。
特に国内通信部門は、これまで孫社長があまりにやる気のないプレゼンであったが、宮内社長になって、料金施策などが明確になったのは本当に良かった。これなら、もっと早く上場すれば良かったのではないか、と思うほどだ。
ソフトバンクの国内通信部門は現在、とてもうまく回っているように感じた。
ハイエンドなスマホで容量を気にせず使いたい人にはソフトバンクの「ウルトラギガモンスター+」、とにかく安く使いたい人にはワイモバイル、基本はネットや家電量販店で契約してやすく使いたい人にはLINEモバイルといった具合にターゲットに合わせてポジションが分かれている。
ワイモバイルの初期にはソフトバンクから流入が多すぎたようだが、最近ではワイモバイルからソフトバンクという流れも増えてきたようで、ソフトバンク関係者もホッとしているのではないだろうか。
宮内社長は昨年末の筆者インタビューで「NTTドコモの値下げには、微調整で乗り切りたい」と語っていた。NTTドコモがどのように値下げしてくるかはいまだ不明だが、完全分離プランで安価な料金プランを設定してきた場合、ワイモバイルの料金プランを微調整することで対抗するようだ。
ここで気になってくるのがKDDI陣営だ。高橋誠社長も「NTTドコモの値下げには競争上、対抗していく」と宣言している。ただ、auの料金プランを一斉に下げてしまえば、収益への影響は避けられない。
NTTドコモの戦略によるところが大きいだろうが、ピタットプランだけ容量の段階を見直すのか、それともすべて見直しをかけるのか。
NTTドコモさらにソフトバンクを意識するならば、UQモバイルに値下げさせ、auユーザーにauとUQモバイルを自由に行き来させる方が無難なのではないか。
とはいえ、auとUQモバイルを一体的に扱えば、総務省が黙っていない。
UQモバイルというかUQコミュニケーションズが別会社であるメリットもある一方、ソフトバンクと戦うにはデメリットもあるのも事実。
NTTドコモの値下げにより、KDDIとUQコミュニケーションズの立ち位置にも影響を及ぼす可能性がありそうだ。
© DWANGO Co., Ltd.