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» 2019年02月18日 21時28分 公開

mineoの契約数が伸び悩む原因は? 「共創」「安心」戦略で回復なるか

ケイ・オプティコムが2月18日、MVNOサービス「mineo」の新たな行動指針となる「mineo way」を発表した。mineoの契約数は100万を超えたあたりから伸びが鈍化。厳しい競争環境を勝ち抜くため、ファンとの共創を重視し、初心者に向けた施策も充実させた。

[田中聡,ITmedia]

 ケイ・オプティコムが2月18日、MVNOサービス「mineo」の新たな行動指針となる「mineo way」を発表した。ユーザーとの共創を重視し、「シンプルに、正直に、みんな誠実であろう」「共有して、共感して、仲間と一緒に創っていこう」「前例のない未来へ、自ら挑戦しよう」という3つを掲げる。

mineo mineoの新たな戦略を発表した、ケイ・オプティコムの上田晃穂氏

 同社はこれまでも、ユーザーと一緒に便利で楽しいサービスを作り、サービス作りの体験自体も楽しんでもらう「Fun with Funs!」というビジョンを掲げてきたが、mineo wayはその土台となるもの。

mineo ファンと一緒に同じ方向を目指すための行動指針「mineo way」

 mineo wayを具現化すべく、3つの「アンバサダー制度」を3月から実施する。

mineo 3つのアンバサダー制度を導入する

 「共創アンバサダー」では、mineoの事業方針をユーザーに共有し、一緒にmineoのサービスを作っていく。現在もコミュニティーサイト「マイネ王」で、サービスに関するアイデアを募る「アイデアファーム」を提供しているが、共創アンバサダーでは、mineoの販売戦略、プロモーション施策、ネットワークなどの細かな情報を開示し、より効果的なサービス創出を目指す。

 アンバサダーになれるのは、マイネ王のオフ会か、mineoファンの集いに参加したことのある人。アイデア提供に対する報酬はなく、「アイデア化につながる情報提供」が特典となる。また、競合他社への情報流出を防ぐための対策として、「他に情報を漏らさないこと」を規約に盛り込み、ユーザーのモラルを信じて歯止めをかける考え。

mineo mineoの事業情報を共有して新サービス創出を目指す「共創アンバサダー」

 「サポートアンバサダー」では、初期設定などの操作法を、mineoユーザーがビデオチャットでレクチャーする。サポート担当者は、マイネ王のQ&Aコーナーで「ベストアンサー」を得た実績のある人を想定している。対応できる日時を登録してもらい、ユーザーが予約を入れる流れ。動画でサポートするので、端末画面を写しながら、実際の操作画面を説明できるというメリットもある。サポート料は無料。

 トラブルを防止するため、サポートのやりとりをする動画は録画し、それをユーザーにもあらかじめ伝える。プロが対応するわけではないので、サポートの品質は気になるところだが、あらかじめ得意分野を登録してもらい、それを開示した上でユーザーに予約してもらう。サポート終了後はユーザーによる評価が可能で、この評価も開示される。サポート担当者には実績に応じてmineo端末をプレゼントする。

mineo ビデオチャットでベテランユーザーが初心者にレクチャーをする「サポートアンバサダー」

 「紹介アンバサダー」では、mineoに紹介したユーザー数の実績に応じた電子マネーギフトをプレゼントする。紹介人数に応じてランクが決まり、10人以上紹介したことのある最上級の「プラチナ」ランクでは、1人紹介するごとに3000円分の電子マネーギフトがもらえる。

mineo 紹介人数に応じて電子マネーをプレゼントする「紹介アンバサダー」

 もう1つの共創戦略として、ファンミーティングで「mineo」アプリのアイデアを募り、発案から機能、ネーミングまでの全工程をファンと一緒に作り上げていく。この流れで、mineoアプリに歩数計機能「mineoさんぽ」の搭載が決まった。

mineo ファンと一緒に作ったmineoアプリの新機能「mineoさんぽ」

 プロモーションでも共創を訴求する。2月23日から放映するテレビCMでは、葵わかなさんと共に、mineoユーザー18人に参加してもらい、「なぜmineoを選んだのか」のリアルな声を伝えていく。経営本部 モバイル事業戦略グループ グループマネージャーの上田晃穂氏は「本当のユーザーがどう思っているかをストレートに伝えたい。(キャリアからMVNOへの)移行の障壁を取り除きたい」と狙いを話す。ちなみに「台本ややらせは一切ない」とのこと。

mineo mineoユーザーが登場する新テレビCM

格安SIM初心者に向けた施策も強化

 mineo契約前の不安を取り除くサービスにも力を入れる。

mineo 4つの安心戦略

 契約前に体験してもらう施策として、200MBのデータ通信を試せるプリペイドSIM「プリペイドパック」、端末とデータSIMをレンタルする「無料レンタル」を提供している。これらに加え、データ通信と音声通話も試せる「お試しコース(仮)」を2019年夏に提供する予定。利用期間は2カ月だが、そのまま使い続けると、月額プランに自動で移行する。

mineo 音声通話も含めた体験ができる「お試しコース(仮)」

 3月1日からは「mineoお渡し店」を提供する。mineoのオンラインショップで申し込んだ後、最短3時間以内に店頭でSIMカードを受け取れる。通常、Webで申し込んでからSIMが届くまでには3日〜1週間ほどの時間がかかるが、これを短縮できる。お渡し店はmineoショップ11店舗、mineoの初期設定などを行うmineoサポート店29店舗に、iPhone修理店24店舗を含めた64店舗が対応する。2019年度中には120店舗にまでお渡し店を拡大し、当日SIMを受け取れる店舗全体では220にまで拡大する予定。

mineo Webで申し込んだSIMを店舗で受け取れる「mineoお渡し店」

 4月からは、mineoのセット端末全てにSIMを挿し、APN設定も済んだ状態で出荷する。ケイ・オプティコムのユーザー調査によると、約5人に1人がSIMを挿した状態での出荷を希望していたという。「シニアの方にSIMを挿してもらったことがあるが、SIMや端末が壊れないか不安、nanoやmicroなどのサイズに切り取る行為が不安、どの向きに刺していいか分からないという声があった」と上田氏は経緯を話す。

mineo 4月以降、端末にはSIMを挿した状態で出荷する。これはAndroidもiPhoneも同様だ

ユーザー層の変化で競争が激化

 アンバサダー制度をはじめとする共創戦略は、既存ユーザーの満足度を高める施策、後半に紹介した安心戦略はキャリアからの乗り換えを促進させるための施策といえる。2019年1月時点のmineoの契約数は「113万」だが、2018年4月に100万契約を超えたあたりから伸びが鈍化。その理由として考えられるのが、Y!mobileやUQ mobileなどのサブブランドだ。

mineo mineoの契約数は現在113万

 ケイ・オプティコムの調査によると、2015年9月にはMVNOの契約を自分で選択、設定できる人は31%いたが、2018年9月にはその割合が15%へと半減。一方、MVNO契約について詳しい人に頼る人は17%から33%へと倍増した。こうしたユーザーはCMで認知度が高く、店舗も豊富なサブブランドに流れやすいと上田氏は見る。「マジョリティー層がそちら(サブブランド)に行っているのでは」と同氏。

mineo マジョリティー層が増えたことで、安心感をいかに与えるかが重要になる

 2019年はドコモが料金値下げを表明しており、MVNOにとってはますます厳しい戦いを強いられる。ケイ・オプティコムは、2020年度までにmineoの契約数を200万にまで伸ばす計画を発表していたが、この数字も見直す。アンバサダー制度は懸念材料も多く、上田氏も「やってみないと分からない部分もある」と話す。ユーザーと共創する環境を作ることでどこまで満足度を高め、不安を取り除く施策でどれだけマジョリティー層を取り込めるかが、さらなる成長のカギを握る。

mineo 2019年の戦略まとめ

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