インタビュー
» 2019年02月20日 06時00分 公開

元FREETEL増田薫社長が語る「経営破綻の理由」と「変態スマホへの思い」(2/3 ページ)

[石野純也,ITmedia]

―― 4カ月で発売に至っていますが、それでできるのは驚きです。

増田氏 翻訳機はスマホに比べると作りが簡単です。電話をする必要もないですからね。しゃべった言葉を文字にして、サーバに飛ばして翻訳して戻すだけです。そういった意味では、比較的スムーズに作ることができました。

 ただ、じゃあやるぞとなったときに、苦しんだのがキャッシュフローです。自己破産もしていたので、お金が全然ない(苦笑)。全財産が1万4000円まで減ってしまったこともありました。そのときは、数カ月後に新製品が発売できるとは思っていませんでしたね。

 じゃあ、なぜ出せたかというと、要は買いたい人と売りたい人をマッチングさせることができたからです。これで物が作れるようになりました。翻訳機はある会社に買っていただけましたが、通常より支払いを早くしてもらえました。支払いはなるべく遅めに、回収はなるべく早めにすることで、キャッシュフローが回りました。

―― 資金繰りの話は、POM社時代にはあまり語られていませんでした。そこは大きな反省点だったということでしょうか。

増田氏 FREETEL時代は危険な国にも突っ込んでいって、回収が遅れることもありましたからね(苦笑)。

「変態端末を作りたい」思いは変わらない

―― 翻訳機というのが意外でした。携帯電話にならなかったのはなぜでしょうか。

増田氏 欧米のキャリアで採用が決まっていたのが大きいですね。そこに全力を投じて携帯電話を作らなければならなかったので、リソースの問題があります。同時に国内のオープンマーケットを見ると、昔とはだいぶ様相が違ってきています。埋め尽くされてきましたからね。ですから、単にAndroidで安い端末を出しても面白くありません。僕はどちらかというと変態の方なので(笑)。

―― そこは変わっていない、と。

増田氏 そうですね。変態な方に行こうと思っています。

―― 品質面はいかがですか。FREETEL時代は、改善こそしていましたが、やはり品質にはバラツキがありました。

増田氏 同じことになってしまいますが、日本のメンバーで品質をチェックし、部材の調達まで含めてこちらで決定し、アセンブリーの際にはメーカーOBの方に駐在してもらいました。FREETEL時代のときは品質面で足りないこともありましたが、今はいい形でできています。例えば、日本基準では裏ぶたが開かないので(バッテリーの)PSE取得は本来不要ですが、それも準拠する形にしています。

―― 技適の問題で総務省に怒られることもない、と。

増田氏 そうですね。そこは間違いなくやっています。

増田薫 技適も取得している

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