謎多きスマホ「Hydrogen One」の“ホログラフィック”ディスプレイ表示を試す山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2019年03月14日 11時55分 公開
[山根康宏ITmedia]

 世界初のホログラフィックディスプレイ搭載をうたう米REDの「Hydrogen One」。開発が遅れた結果、2018年頭に発売される予定が、市場に出てきたのは11月でした。本体もアルミニウムボディーとチタンの2つのバージョンがありますが、現時点ではまだアルミ版のみ。何かと謎の多い製品ですが、MWC19 Barcelonaで見かけたので、試してみました。

Hydrogen One ホログラフィックディスプレイを搭載する「Hydrogen One」

 1249.99ドル(約14万円)というHydrogen Oneの値付けも、最近はハイエンド機で10万円超えが多いことを考えると、珍しくないかもしれません。しかしプロセッサが「Snapdragon 835」と、2世代前のものを採用している点はやや残念なところです。5.7型のディスプレイを持つスマートフォンにしては本体サイズは大柄に感じられます。

Hydrogen One スペックの古さは当初の発売時期の遅れの影響か。ディスプレイは5.7型

 本体側面は波を打った形状で、しかも滑り止め効果も狙ったスリット処理が入っています。これは握りやすさを考えたデザインも兼ねているのでしょう。しかし見た目のインパクトを与えるには十分のデザインですが、重量が263g(チタンモデルは292g)もあり、片手で持ってみるとかなり重く、気軽にカメラを起動してスナップ撮影しようとは思えないかもしれません。Hydrogen Oneの外観は「武骨」そのものと感じます。

Hydrogen One 本体左側面

 なお、右側面の赤いボタンはカメラボタン。真ん中に見えるボタンは電源キーで、指紋認証センサーを兼ねています。

Hydrogen One 本体右側面

 背面は下部に拡張端子があり、後からモジュールを装着できるようになるとのこと。モトローラの「moto mods」と同じ発想ですね。ただし合体式スマートフォンはその多くが失敗に終わっています。REDが今後同じモジュールを使えるスマートフォンを定期的にリリースしていくという、長期的な端末開発戦略があるのなら魅力を感じますが、Hydrogen One専用アタッチメントの場合はそのコストが気になります。何せ本体だけで10万円を超えているわけですから。

Hydrogen One 背面はアタッチメントを装着して拡張できる仕様になっている

 さて肝心のホログラフィックディスプレイ表示はどのような感じなのでしょうか。写真や動画では伝えにくいのですが、カメラで3D写真を撮影してみると、確かに被写体が浮き上がって表示されます。ただし画質は若干荒くなります。大昔、スナック菓子の付録などに、見る位置を上下左右で変えると立体的に浮かび上がるシール、なんてものが存在しましたが、それをより精細にした感じでしょうか。

 自分撮りをすると背景から自分の姿が浮かび上がって見えるのですが、いかんせん画面サイズがスマートフォンでは迫力感に欠けてしまうな、と感じました。

Hydrogen One カメラで撮影したホログラム写真

 Hydrogen Oneのホログラフィックディスプレイを使ってみると、3Dやホログラムは大きい画面の方がそのすごさが体感できるのではないかと思います。これまで登場した3D表示のスマートフォンがいずれもパッとした結果を残せていないのは、そこに原因があるのかもしれません。ホログラムコンテンツを増やしHydrogen Oneだけのユーザー体験が得られるのなら、10万円を出す価値はあるでしょう。ホログラフィック技術を普及させるためには、ハードウェアだけではなくコンテンツを充実させることも必要でしょう。

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