インタビュー
» 2019年06月21日 06時00分 公開

「スマホおかえしプログラム」の誤解とは? ドコモに聞く、新料金施策の手応え (2/3)

[石野純也,ITmedia]

本当に「無制限」がいいのか?

ドコモ 金氏

―― ギガホに関してですが、auは無制限を、ソフトバンクはキャンペーンですがゼロレーティングの代わりに無制限を導入しているため、使えるデータ量という観点では見劣りします。ここは、追随しないのでしょうか。

金氏 本当に無制限がいいのかは、今議論しているところです。ただ、めちゃくちゃな使い方をする人が出てきて、他の人の通信速度が遅くなってしまっていいのか。注釈も増えてしまう可能性もあり、良しあしがあると思っています。

御牧氏 他社も、テザリングは20GBだったり、動画は速度を制限したり、何かしら条件がついています。

金氏 動画の画質を落としてまで無制限にするのが本当にいいのかは、考えなければなりません。また、4Gでの無制限が相当きついことは確かですが、5Gではどうかも、改めて検討する必要があります。

御牧氏 ですから、われわれは30GBを超えたときの速度を1Mbpsにして、なるべく制限をかけないようにしました。その速度なのか、コンテンツによる制限なのかなど、いろいろなパターンがありますが、お客さまの選択は見極めていきたいと思います。

 1Mbpsという速度制限については、夏ごろから国際ローミング時にも適用します。今までは、海外だけ128kbpsになってしまっていましたが、ここも国内に合わせていきます。

「スマホおかえしプログラム」は、なぜハイエンドのみ?

ドコモ 杉崎氏

―― 次に、スマホおかえしプログラムについてうかがっていきます。これは、今のところハイエンドのみですが、なぜでしょうか。

杉崎氏 新しい端末には新しい技術が搭載されていますし、通信技術も向上しています。私たちにも、お客さまに快適な利用を提供したいという意思はありました。ただ、どうしても新しい技術だと、価格は高くなります。それを少しでもお求めやすい価格にしたい。そのときにできることとして、スマホおかえしプログラムを用意しました。

―― ミドルレンジ以下は対象外です。

杉崎氏 ここは思想の問題で、そもそも分離プランは、端末が正価になるという考え方に立脚しています。他社はミドルレンジでもやっていますが、新料金プランを導入し、最大4割値下げのコストインパクトがある中では、一定の線引きも必要になります。そのため、今の段階ではハイスペックモデル限定になっています。

金氏 以前の料金プランでは、docomo withをやらせていただきました。あれも端末は原則正価でしたが、ご好評をいただいていました。それを踏まえると、ミドルレンジ以下のところは定価でもあまり問題がないといえます。

ドコモ スマホおかえしプログラムの対象機種は、ハイエンドモデルが大半を占めている

―― ちなみに、ミドルレンジの基準はどこにあるのでしょうか。今お話のあったdocomo withの場合だと、吉澤(和弘)社長が、いつも「4万円以下」とおっしゃっていましたが、ああいった基準はあるのでしょうか。

杉崎氏 スマホおかえしプログラムの対象は議論して決めていて、明確にこの基準というものがあるわけではありません。端末の動向いかんで変化もあると思います。一律にこれというのではなく、市場感やメーカーのビジネスを見た上で変えていくことになると思います。

―― 36回の割賦と組み合わせたプログラムですが、なぜ36回なのかというところを改めて教えてください。

杉崎氏 端末の使用期間が24カ月から35カ月の方が38%、それ以上の36カ月になると43%に増えます。端末の使用期間は平均すると3年になりますが、それ以前の、大体2年を過ぎたころから、そろそろ変えようと思い始めるお客さまが一定数いらっしゃいます。そのお客さまに対し、何もないのは忍びないため、始めたプログラムです。

ドコモ 38%のユーザーが24〜35カ月で機種変更をしている

―― 一方で、引き算すると、2年未満で機種変更するユーザーも18%いるということですね。

杉崎氏 iPhoneなどは最たるものかもしれませんが、1年サイクルで変えたいという方も一定数いらっしゃいます。

―― 2年たたずに返すこともできますが、この場合はどうなるのでしょうか。

杉崎氏 例えば、1年でお返しいただければ、もう1年間は請求が発生しますが、3年目からの請求は自動で止まります。

御牧氏 ただし、免除される12回分の金額より、下取りに出した方がいいというケースもあるため、どちらがいいかは一概には言えません。

杉崎氏 逆に、お客さまには条件のいい方を利用していただければと考えています。

―― そういう意味でも自由度は高いですね。今、総務省で議論されている省令やガイドラインを先取りした感があります。

杉崎氏 変な拘束はしたくないということで、どこまでフリーにできるかの議論をして、ああいった形に落ち着きました。(他社の)48カ月は、再加入条件は取れたものの、機種変更は必要で、研究会の中でも行き過ぎた囲い込みではないかという話は出ています。

金氏 緊急提言である程度の方向性は見ていました。今後も、決められた省令やガイドラインに沿って、必要な対応をしていきます。

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