世界を変える5G

5Gで変化するスマホの中身 「Galaxy S10 5G」を分解して分かったこと:バラして見ずにはいられない(1/2 ページ)

» 2019年06月30日 06時00分 公開

 2019年は次世代通信規格「5G」元年ということもあり、多くのスマートフォンメーカーが5G対応モデルを発売予定だ。5Gスマホ一番手は、2019年4月6日に韓国で発売されたSamsung Electronicsの「Galaxy S10 5G」である。2018年モデルの「Galaxy S9」との違いも含め、目立った点をレポートする。

Galaxy S10 5G 「Galaxy S10 5G」の外観。背面カメラが中央上部に横一線で並んだ

5Gの特徴をおさらい

 第5世代通信(5G)とは、1998年に設立された通信規格や標準化を行う団体「3GPP」が策定した仕様に基づく通信方式で、6GHz以下の周波数で通信する「Sub 6」と、数10GHzで通信する「ミリ波」の2グループが存在する。高速大容量、低遅延、多接続などの優れた特徴を持つ5Gだが、3GPPの仕様が確定しているのは高速大容量通信のみで、残りは2019年末または2020年の早い時期に策定される予定だ。

 5Gが持つ高速大容量通信、低遅延、多接続は、全てを同時に実現できるわけではない。TPOに合わせて、優先するモードを刻々と変えて最適な運用を行う「ネットワーク・スライシング」と呼ばれる技術を利用して、そのときに最も必要とされている通信モードを構成する。ネットワーク・スライシング技術は、日本のクリアなLTE音声通話「VoLTE」などで既に実現しているが、5Gはこれをさらに進化させたものとなる。

 携帯電話網というと、ビルの屋上などに立つ基地局が目立つが、これは「マクロセル」と呼ばれ、携帯インフラのごく一部である。屋内や地下街など電波の届きにくい場所には「スモールセル」と呼ばれる小型基地局が多数設置されている。これらの基地局は「コアネットワーク」と呼ばれる光ファイバー網で接続され、サーバやルーターなどを介してコアネットワーク同士が接続され、全土をカバーし、最終的には世界とつながっている。

 現在のところ、5G通信網は単独で存在しておらず、前世代規格のGSM、W-CDMA、LTEのインフラと共存する形で運用されている。このため、5G本来の威力をフルに発揮するには、従来ネットワークから独立した5Gのみで構成されるネットワークが必要となる。

 Galaxy S10 5Gは、そんな5G通信に対応した、現時点では数少ないスマートフォンなのである。

Galaxy S10 5Gの外観上の特徴

 Samsungに限らず、高級スマホにおけるカメラ搭載数増加は1つのトレンドとなっている。Galaxy S10 5Gは、背面に4個、前面に2個、合計6個のカメラを搭載している。カメラが増えることにより、フィルムにあたるCMOSイメージセンサーの面積も相対的に広くなり、より多くの光を集められ、暗い場所でもキレイな写真を撮影できるようになった。

 また広角レンズと望遠レンズの組み合わせ、深度検知カメラとの併用により空間認識が可能となり、メイン被写体にだけ焦点を当てて背景をボカし、顔のラインをすっきりさせるなど自然な修正ができるようになった。

Galaxy S10 5G カメラは合計6個搭載。メーカーに関係なく、スマホ高級機ではカメラの搭載数が増える傾向にある
Galaxy S10 5G カメラのフィルムにあたるCMOSイメージセンサーも進化している。光を取り入れられる有効対角寸法が7mmを超える大型センサーが一部のカメラに採用された

 2018年までスマホ背面にあった指紋センサーは、ディスプレイ側の下部に移動した。Galaxy S10 5GではQualcomm製の超音波センサーが採用された。病院の超音波エコー診断装置のように指の皮膚の下を見ることができるようになり、指表面の凸凹を指紋と認識し、高い認識精度を実現している。

Galaxy S10 5G ディスプレイ下部に超音波方式の指紋センサーを搭載

 有機ELパネルも変化した。これまでは画面上部を一部切り取ってカメラなどを設置していたが、2019年はディスプレイに穴を開け、その後ろにカメラを設置する方式となった。製造方法はこちらの方が難しい。有機ELパネルはGalaxy S10 5Gの中で最も高額な部品と思われ、その価格は135米ドルと推定される。

Galaxy S10 5G 有機ELパネルの推定価格は135米ドル。画面左下のパネル裏側写真の左上には、カメラなどを置くための穴が開けられている。Hole In Active Areaと呼ばれる技術で難易度は高い
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月24日 更新
  1. きょう発売の「iPhone Duo」、Apple 表参道でゲットしてきた 早速開封レポート (2026年10月23日)
  2. Apple初の折りたたみ「iPhone Duo」きょう発売 価格、特徴、誰向けか――5分で分かるまとめ (2026年10月23日)
  3. モバイルSuicaの新決済「teppay」を早速試した 店員への伝え方や決済音は? スムーズに決済できる? (2026年10月22日)
  4. 若者の間で流行する「ホビ垢」とは? 実はホビーでもホビットでもない、“○○○する自分”が主役のSNSアカウント (2026年10月23日)
  5. 「iPhone Duo」を試して分かった9つの疑問と本音 36万円超の折りたたみスマホは「買い」か? (2026年10月21日)
  6. 「iPhone Duo」はLINEもポケモンGOも“黒い”余白だらけ? 日本の定番アプリは未対応が多く (2026年10月23日)
  7. iPhone Duo発売直後に「転売」が横行 メルカリ・Yahoo!フリマ・ラクマで割高に? (2026年10月23日)
  8. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  9. iPhone Duoを使って痛感した「Face ID」のありがたさ 充電スタンドに置いたまま通知が見られない不便さに苦しむ (2026年10月24日)
  10. 【ニトリ】799円の「スマホクッション」 デコネコのお腹にすっぽり収まる (2026年10月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー