一方で、新料金プランの移行計画に織り込まれていない要素もある。総務省が施行する省令がそれで、10月には、2年契約の解除料が1000円まで、通信契約にひも付かない端末割引が2万円までに制限される見通しだ。この影響は、「見極めきれない部分がある」(同)として、業績予想などには反映されていない。「10月のスタートに向け、どう対応していくのかを検討しているところ」だ。
また、10月には楽天モバイルが、自社の回線をひっさげ、携帯電話市場に新規参入する。楽天モバイルは、低価格や、期間拘束をしない方針を打ち出していたが、具体的な金額などはベールに包まれたままだ。ドコモはこの金額をにらみつつ、省令に対応していく方針だが、「楽天の動きがはっきりしない」(同)ため、複数のパターンを想定し、準備を進めているという。
「仮にこういったことがあった場合といった条件をつけ、そのときにはどうするのかといったものを、何通りか作っている。10月に(楽天モバイルが)スタートしたときは、それがしっかり反映できるよう、システムも対応している」
もし、楽天モバイルに対抗する形で、新料金プランをさらに値下げすることになれば、業績に与える影響はさらに大きくなる。2年契約の違約金を撤廃することになれば、解約率が下げ止まる可能性もある。市場の変化を正確に反映するには、第2四半期の決算を待たなければならない。こうした事情は、ドコモ以外のキャリアにとってもある程度共通している。その意味で、2019年度は、キャリアにとって、先の見通しがしづらい1年といえる。
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