スマートフォンゲーム「Pokemon GO」(以下、ポケモンGO)のリアルイベント「Pokemon GO Fest Yokohama 2019」が、横浜市内で8月6日から8月12日まで開催された。ポケモンGOの夏季イベントを横浜で実施するのは2年ぶり2回目だ。
ポケモンGOを開発・運営する米Nianticは、2回目の横浜イベント開催について「横浜市やポケモン社、関係各社と協力し、交通機関や動線、暑さ対策などの安全面、トイレやネットワークなどの施設面など、さまざまな視点から話し合いを続け、準備を行ってきた」と語る。
会場は「山下公園」「臨港パーク」「赤レンガパーク」の3カ所。いずれも徒歩で移動できる距離だが、3カ所を往来する必要はなく、各会場内でイベント(参加者限定の「スペシャルリサーチ」)を終えられるようにしていた。事前応募による抽選制の無料イベントで、当選者は最大3人のゲーム内フレンドを招待できるが、参加は1日限定だ
参加者を限定しつつ、3つの会場に分散させたことで、一昨年の横浜イベント(抽選なしで累計200万人が参加)のような会期中の大渋滞や通信環境が不安定になる問題はみられず、周辺地域への影響は大分抑えられた印象を受けた。昨年の横須賀イベント(抽選制で6万5000人が参加)と比較しても、会場内の人口密度は少し低く感じられたほどだ。
今回のイベントへの参加は狭き門だったようで、SNSには落選の投稿も目立った。Nianticは当選者数を公表していないが、「会場のキャパシティーや通信事業者のネットワークキャパシティーなど、さまざまな面から検討を重ねた上で、イベントを安全に運営できる人数を計算の上、当選人数を決定した」とコメントしている。
なお、ポケモンGOは1人が複数アカウントでプレイすることを規約違反としているが、昨年の横須賀イベントに比べて、現地では1人で複数台のスマホやタブレットを並べてプレイするトレーナーの姿が増えているように見受けられた。複数アカウント分の応募をするトレーナーが増えたことも、競争率が高くなった要因として考えられる。
Nianticに複数アカウント対策を聞いたところ、「昨年のイベントはQRコードを使ったチケット制にしていたが、今回はゲームのアカウントと紐付けたチケット制に切り替え、利用規約に違反した申し込みをしにくいようにした。引き続きフィードバックをいただきながら、システムの改善に努めていきたい」との回答だった。
今回のイベントは人数を絞ったとはいえ、それでも各会場に大勢のポケモントレーナーが集まり長時間スマホでゲームをプレイし続けるため、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3キャリア協力のもと、快適にプレイできる通信環境を整えていた。
各キャリアは近隣基地局の最適化や移動基地局車の配備などで電波対策を行ったことに加えて、Wi-Fiスポットを新たに設置。ドコモの例では、事前の現地調査で周辺基地局のエリアチューニングを実施した上で、3会場に合計で4台の移動基地局車と14台のWi-Fi APを設置し、「万全の体制を整えた」と自信をみせていた。
実際、現地や周辺地域でスマホの通信が長く途絶えるようなトラブルはなく、開催時間の午前10時から午後5時まで通信環境は安定していた。また、ポケモンGOのサービスを提供するサーバ側の問題でプレイができなくなるようなトラブルも見当たらなかった。過去のリアルイベントでの経験が十分に生かされた点だ。
ポケモンGOの公式パートナーでもあるソフトバンクは、通信環境の最適化に加えて、各会場でモバイルバッテリーやスマホのアクセサリーを販売するブースを出展。PayPayで購入した場合に最大20%のPayPayボーナス還元を行った他、最大1万円相当のPayPayギフトカードが当たるくじを実施していた。
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