iPhone商戦突入前にソフトバンクが「半額サポート+」、KDDIが「アップグレードプログラムDX」を相次いで発表した。どちらも内容はほぼ一緒で、スマホの機種代が最大半額になるというものだ。48回払いのうち、24回支払い、端末を返却、新たに端末を購入すれば残債は免除となる。これまでの違いは他社ユーザーでも購入できるという「分離」として提供されている点にある。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2019年9月14日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。
しかし、ここに「改正法の趣旨に反するのではないか」と噛み付いたのが総務省・有識者会議だ。確かに、ユーザーを囲い込むという点においては改正法の趣旨に反する。
しかし、このプログラムは通信契約とは紐付かず、分離しているため何ら問題ないはずだ。SIMロックがかかっていることを問題視する意見もあるが、これも総務省の有識者会議で議論し、決められたルールを遵守している。
一部報道で「改正法の抜け穴をついた」とあるが、ソフトバンクの榛葉淳副社長は「選択肢のひとつを提供した」と語る。
確かに高額なスマホを毎月の負担を少なくして購入する選択肢の一つといえる。
ネット上では「SIMロックをかけるなんてけしからん」という声が出ているようだが、そもそもSIMフリーのiPhoneが欲しければ、アップルストアで購入すればいいだろう。
昨日、3キャリアのiPhone価格が発表されたが、どのキャリアもアップルよりも高い値付けだ。SIMフリーが最も安価なのだから、素直にアップルで買えばいい話だ。
「それでは半額にならない」という指摘もあるかもしれないが、2年後に端末を中古業者に持ち込み、状態が良ければ、それなりの値段で買い取ってくれるだろう。
ソフトバンクもKDDIも「他社ユーザーも購入できる」と語るが、そんなのは建前に過ぎず、自社ユーザーのためのプログラムであることは間違いない。
総務省のアンケートでは「乗り換えを検討しない」という人は半分以上いるとされる。先日、某テレビ局の夕方のニュースに生出演したことがあったが、そのキャスターも「乗り換えなんて全く興味ない」と打ち合わせで語りながら、料金競争のニュースを伝えていた。
乗り換えなんて検討もしないというユーザーにとってみれば、このようなプログラムは本当にありがたいはずだ。
総務省の有識者会議はもはや自分たちのプライドを守るためだけに規制を強化しているだけに過ぎない。本当にユーザー不在の議論をいつまで続けるのか。節穴だらけの有識者会議に何の意味があるというのか。
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