ソフトバンクが、新たな端末購入プログラムとなる「半額サポート+」を9月13日から提供する。
48回払いで端末を購入して、25カ月目以降に端末を返却すると、割賦代金の最大半額が免除される仕組みは、従来の「半額サポート」と同じだが、半額サポート+では、対象ユーザーを他キャリアにまで広げた。
つまりソフトバンクが、通信契約にひも付かない形で端末単体を販売することになる。しかし注意したいことがある。それは、半額サポート+で購入した端末にも「SIMロック」が掛けられていることだ。
端末を分割払いで購入した場合、購入日から100日がたたないと、SIMロックは解除できない。そのため、他キャリアのユーザーがソフトバンクの半額サポート+に加入して端末を購入した場合、100日間はソフトバンク回線でしかモバイル通信は利用できない。
ソフトバンク回線を用いたMVNO(LINEモバイル、nuroモバイル、mineoなど)は、ロック解除なしでそのまま使える。一方、Y!mobileはソフトバンクが運営するサブブランドでありながら、ソフトバンク端末で利用するにはSIMロックを解除する必要がある(これは早急に改善してほしいところだが)。
ソフトバンク回線がない場合、100日間は“宝の持ち腐れ”になってしまう感が強いが、SIMロック解除自体は、ソフトバンクの契約がなくても行える。ただし注意したいのが、ソフトバンクの場合、同社の契約がないとオンラインでのロック解除は行えず、店頭でしかロック解除ができない。オンラインでのロック解除は無料だが、店頭では3000円(税別)が発生する(理由等の詳細はこちらの記事を参照)。
ちなみに端末を一括で購入した場合、SIMロックは100日以内でも解除できるが、半額サポート+は分割払いが前提のサービスのため、そもそも一括払いを選べない。
そもそもなぜSIMロックが必要なのか? これは総務省が策定した「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン(※PDF)」にも明記されているが、端末を割賦で購入したものの、割賦代金を支払わないケースを防ぐため、端末代金の支払いを少なくとも1回確認できる期間として、100日程度を超えない期間のSIMロックは認められている。ソフトバンクもガイドラインにのっとってSIMロックを掛けている、と説明する。
ソフトバンクの言い分も理解できるが、半額サポート+は、他社ユーザーにとって“SIMロック”が足かせになりそうだ。
もう1つ、これはSIMロックとは無関係だが、半額サポート+では月額390円(不課税)×24カ月(計9360円)の費用が別途発生するため、これを加味すると、端末代は純粋な半額にはならない。従来の半額サポートでは、この月額料金は発生しなかったため、ソフトバンクのスマホユーザーにとっては改悪になった。一方で、従来は対象でなかったタブレットやケータイも対象になったのは改善点だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.