コラム
» 2019年10月06日 13時00分 公開

元ベテラン店員が教える「そこんとこ」:ショップの来店予約が“取れない” 一体なぜ? (1/2)

あるキャリアのキャリアショップで、解約時の来店予約がなかなか取れないという問題が発生しました。なぜ、このようなことが起こってしまったのでしょうか。予約システムの仕組みをひもときつつ、実際に店頭に立つスタッフの意見も聞いてみました。

[迎悟,ITmedia]

 先日、インターネット上で「ドコモショップに解約の手続きの来店予約を行いたいのにできず、新規契約で予約を選べば行える。解約させたくないからといって、これはひどくないか?」という、あるユーザーの怒りの声が話題になりました。

 販売代理店にショップ運営を委託しているNTTドコモ自身は、「解約を受け付けないこと」「新規契約を優先するような設定を行うこと」を代理店に要請していないこと、当該代理店において来店予約システムの一部設定に誤りがあったことや、来店予約に対して特定の要件での来店を断るような運用を行わぬように代理店を指導したとのことです。

 長時間待たされることも多い携帯電話ショップですが、「解約」や「料金の支払い」といった、相談の必要のない手続きはすぐにしてほしいと考えるのは当然です。すぐに終わる手続きだからこそ、待たないために来店予約を活用したいと考えるのも自然なことです。筆者自身も、来店予約を活用しています。

 NTTドコモの説明では「設定の誤り」とされた本件。キャリアショップでは、実際にどのように来店予約を受け付けているのでしょうか。また、店頭で働くスタッフから見て、今回の報道はどのように映ったのでしょうか。

 今回は来店予約の仕組みと、それにまつわる販売スタッフの声を紹介します。

キャリアショップ キャリアショップの来店予約はどう受け付けているのか?(写真はイメージです)
Y!mobileの来店予約システム Y!mobileの「かんたん来店予約」はユーザーでなくても受け付けられることが特徴

来店予約の「枠」は決まっている

 当たり前ですが、ドコモショップに限らず、携帯電話ショップの「受付カウンター」と「出勤しているスタッフの人数」には限りがあります。そのため、その日に対応できる客の人数にも限界があります

 また、ショップの来店について一部で予約制の拡大は行われましたが(参考記事)、“完全な”予約制の導入とはなっていません。そのため、“飛び入り”で来店する人のことを考えると、全てのカウンターとスタッフを予約枠に割り当てることは難しいでしょう。

 さらにいえば、ショップの立地によって、昼間に混雑するショップもあれば、夕方以降に混みあうショップもあります

 ショップでは、受け付けカウンターや来店予約枠を以下の基準で設定します。

  1. 用件別に必要な時間枠を予め設定する(例:端末購入は「2時間」、解約は「1時間」)
  2. 1.で決めた枠を9時間の受付枠と店舗ごとのライン数(※)に当てはめる

※ 店舗にあるカウンター数や当日のスタッフの出勤予定人数やシフトを考慮して設定

 例えば、営業時間を「午前10時から午後7時まで」に設定しているショップでは、新規契約の予約が1組で2時間だとすると、9時間のラインに対して4件の新規契約と、残った1時間分で解約など他の業務(オーダー)の予約を受け付けられます。

 しかし、来店予約の枠は「15分単位」や「30分単位」で行っているため、あるラインに10時30分から4件連続で新規契約の予約が入ると、当該ラインの残り枠は、午後6時30分からの「30分」になってしまいます。ゆえに、30分より大きな時間枠を設定されている用件について来店予約を受け付けられなくなるのです。

枠の例 来店予約の枠を30分単位で取り、支払いは「30分」、解約は「1時間」、端末購入は「2時間」に設定している例。空き枠の状況によっては、当該枠よりも大きな時間のかかる業務の来店予約は受け付けられない

 多くのショップでは「シフト勤務」を導入しています。そのため、以下のようなことが起こり得ます。

  • 毎日同じ人数が勤務しているわけではない
  • 時間帯によっても勤務している人数が変動する

 このようないった事情もあり、設定されるラインの数は日によって変わります

 実際に店頭に立つスタッフの話では、新機種発売の時期など、特定の手続きで混雑が予想される時期には、予約枠の設定を変えるなどの対応も行っているとのこと。この仕組みが本当ならば、ドコモの「設定に誤りがあった」という説明もある程度は納得できます。

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