―― エココースについても、導入の経緯など、詳しいお話をお聞かせください。利用状況はいかがですか。
福留氏 もう1つの新サービスがエココースで、こちらは男性が6割、30代、40代、50代の方々が半数を占めています。導入の経緯としては、通勤時間帯やお昼休み、帰宅時間に回線が混み合ってしまうという実態がありました。一度トライアルした結果、混雑した時間帯は(高速通信を)使わなくてもいいというお客さまが一定程度いることが分かってきました。それを踏まえて、速度を制限する代わりに、最大で450円割引するサービスを開始することにしました。こういったサービスを入れ、より快適にスマホをご利用いただければということで始めています。
―― 制限された時間帯は、きっちり200kbps出ているのでしょうか。
福留氏 出ています。
―― 帯域の節約効果は、どの程度あるのでしょうか。
藤井氏 すごく効果があるかというと、実際にはそうでもありません。値引きする金額にも、それが表れています。ただし、それだけ値引きしても収支が取れるぐらいの効果はありました。基本的に、ピークシフトの考え方で、ピークの部分は当然抑えられます。とはいえ、実際にどのぐらいまでというのは、まだ想定できていません。快適になっても、それで逆に動画を見る人が増えると、またピークが立ってしまいますから。
福留氏 回線の混雑を解消するには、エココースだけでなく、法人向けのサービスを展開したり、(サラリーマン層とは利用傾向の異なる)主婦層向けなどの幅広い施策を行ったりする必要があります。
―― 200kbpsという数値には、どういった根拠があるのでしょうか。
藤井氏 諸事情があり、この速度になりました。節約モードがシステム的に200kbpsで作られているということもあります。
福留氏 少なくとも、テキストは十分に見られる速度ということで、いったんは200kbpsにしています。
福留氏 これとは別に、mineo5周年ということで、6月に「増速ウィーク」を実施し、500kbpsと1Mbpsでそれぞれ使い放題にしました。キャンペーン参加者の7割ぐらいが満足して、ぜひサービス化してほしいというお声もいただきました。500kbpsであれば、テキストや音声、画像だけでなく、動画についてもストレスなくご覧いただけます。いくらにするかは検討中ですが、これも低料金でサービス化できないか検討しているところです。2月ぐらいにサービスインするつもりで、検討をしています。
―― 500kbpsと1Mbpsで何か違いはありましたか。
福留氏 満足度は当然ですが、1Mbpsの方が高かったですね。ただ、500kbpsでも十分な速度向上を体感できました。これは(コストとの)バランスでもあるので、どのぐらいの速度にしていくのかは検討を進めています。(プランを)ダウングレードするといった話も出てきてしまうので、全体的に見てどういうサービスにするかを考えていきたいですね。
それだけではなく、フリータンクに次ぐ、新たなmineoらしいサービスも提供したいと考えています。フリータンクは、パケット譲り合い、助け合いの精神が基本ですが、同じように、通信速度について譲り合いなり、助け合いなりができないかと考えています。独自価値の1つですから、それを通信速度で実現していきたいと思います。
―― 通信速度の譲り合いというのは、ちょっとイメージがわきません。
福留氏 混んでいるときに道を譲るようなイメージのことができないか、検討を進めています。増速ウィークのサービス化と合わせて検討を進めています。
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