ハイエンドモデルが3機種とやや少なめなのは、やはり5Gの導入を間近に控えていることが背景にありそうだ。吉澤氏は、「来年(2020年)春に向け、われわれ自身も5Gに軸足を移していく。端末はサービス開始前に改めて発表したい」と語った。
「少し価格帯は高いが、それをいかに安くするか、ミドルレンジモデルをどう充実させるか(が課題)」(同)というように、当初はハイエンドモデルが中心になる見込みだ。ドコモは、5Gの商用サービスの開始時期を「春」としているが、もし他社と同様、3月だとすると、春商戦の時期にハイエンドモデルを数機種追加する可能性がある。
以降は、「4Gオンリーのモデルはキッズケータイやらくらくホン、スタンダードモデルも4Gを残す部分はあるが、(その他の)端末には5Gを載せていく」(同)方針。冒頭で引用したように、吉澤氏が冬春モデルを「4Gの集大成」と評したのは、そのためだ。ただ、やはり5G待ちの買い控えが起こる可能性は否めない。仮に商用サービス開始時期が2020年3月だとすると、年度を通して見たときのラインアップも、数が多くなりすぎてしまう恐れがある。
一方で、もともとの価格が安いスタンダードモデルも2機種にとどまったが、「19年の夏モデルと全体で捉えていただきたい」(プロダクト部長 安部成司氏)と、通年でラインアップを構築していることを強調した。夏モデルは、分離プランの導入に合わせていたため、割引がなくても手に取りやすいスタンダードモデルを充実させなければならない事情もあった。
そのため、「Xperia Ace」「LG Style2」 「arrows Be3」の3機種に加え、いわゆるキャリア仕様のドコモスマートフォンとは別枠になるが、Googleの「Pixel 3a」も採用している。いずれも販売は継続するため、スタンダードモデルは計6機種から選べる。選択肢は、年間を通して十分提示してきたというわけだ。auやY!mobileが採用した21:9のディスプレイを搭載するミドルレンジモデルの「Xperia 8」がないのは残念だが、Xperia Aceと価格帯がバッティングするという判断が働いたのかもしれない。
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