対するKDDIは、いち早く分離プランを導入していたこともあり、上期は増収減益となった。第2四半期単体で見ると、増収増益に転じている。高橋誠社長は、通期目標に向けて順調であることをアピールした。上期の減収要因として大きいのが、端末販売コストの増加だ。増加分は399億円。高橋氏によると「3Gからの移行促進費用」が大きな理由だという。KDDIは、他社より早い2022年3月末に3Gのサービスを終了する予定で、移行のタイムリミットが徐々に迫っている。
「楽天が入ってきたとき、3G(のユーザー)が一番ターゲットになりやすい」(同)というのも、4Gへの移行に力を入れている理由だ。また、4G対応スマートフォンが成熟を迎え、インフラともいえそうなサービスが充実してきたことも背景にあるという。高橋氏は「移行にはいいタイミング」としながら、次のように語る。
「QRコード(決済)などを使っていただく際には、フィーチャーフォンから変えていただいた方がいい。コンテンツについても、動画などがかなり増えている。移行したくなるソリューションがそろってきている」
auと傘下のMVNOのユーザー数を合わせた「モバイルID数」も、順調に拡大している。2019年9月時点のモバイルID数は2709万で、前年同期の2670万から39万拡大。auの契約者は減少が続いている一方で、UQ mobileやBIGLOBEモバイル、J:COM MOBILEといったMVNOが大きく伸びている。第2四半期まででグループMVNOの契約者数は、計268万に達し、前年同期比で25.7%増加したという。KDDIは「ライフタイムバリューの最大化」を掲げているが、その基盤となるau IDを他社のユーザーにも拡大。10月28日には、UQ mobileが「auスマートパスプレミアム」の導入を発表するなど、グループMVNOへ上位レイヤーのサービスを拡大している。
金融分野も順調に拡大しており、au PAYのユーザーは600万を突破。au WALLETプリペイドカードやクレジットカードと合わせ、ユーザー数は3300万を超えている。auスマートパスプレミアムも会員数は851万に達し、浸透率は55%にまで拡大した。じぶん銀行を連結化するなど、一時要因もあったが、ライフデザイン領域は「新規連結効果を除いても、売上高、営業利益ともに2桁成長している」と自信をのぞかせた。
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