KDDIが楽天モバイルへのローミング契約についての約款を公開。それによると、データローミングの通信料金が1GBあたり約500円(1パケットあたり0.0000596円)であることが明らかにされた。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2019年11月2日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額500円・税別)の申し込みはこちらから。
この設定は、楽天モバイルユーザーがKDDIに支払うローミング料金となっている。そのため、楽天モバイルが実際にKDDIに支払う額とは異なるが、実態はあまり違いはないだろう。
KDDIとしては、データチャージカードの1.5GBが1650円となっていることから0.5GBで約500円という設定が妥当であるとしているようだ。
楽天モバイルが10月から開始している「無料サポータープログラム」では毎月100GBのデータ通信が無料となっている。ただし、追加のデータ容量も無料であることから、実質使い放題という扱いだ。
仮にサポーターが、100GBをKDDIローミング圏内ですべて使い切った場合、楽天モバイルはKDDIに5万円近いローミング料金を支払うことになる。この設定は、無料サポータープログラム期間だけでなく、本格的な商用サービス時も適用され、2026年3月末まで継続されることを考えると、楽天モバイルのことがちょっと心配になる設定だ。商用サービスでユーザーから料金を徴収したとしても数千円程度であることは間違いない。確実に赤字が出るのではないか。だからといって、ユーザーに「auローミング料金」を基本料金とは別に負担してもらうわけにもいかないはずだ。
NTTドコモやKDDIが設定してる30GBの料金プランを作った場合、ローミングで使われたら1万5000円の負担になる。
この設定金額を見てしまうと、楽天モバイルが「使い放題」のような料金プランを提供するのは現実的ではないような気がしてならない。
ローミング収入に対して、KDDIの高橋誠社長は「楽天モバイルはスロースタートになってしまったが、ローミング料金は定額の部分と従量の部分があるので、それに従って頂戴することになる。
ローミングされ具合という面では、現状では東京23区を出ると、概ね、我々のネットワークを経由して繋がることは間違いない。あとは地下鉄やビルなどは貸しています。
楽天モバイルは1.7GHzでエリアを作るので、しっかり整備しないことには、屋内浸透は厳しいのではないか」とした。
結局のところ、「楽天は一刻も早く全国に基地局を整備しましょう」ということに尽きるようだ。
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