シャープの最新スマートフォン「AQUOS zero2」が、ドコモ、au、ソフトバンクから発売された。AQUOS zero2といえば、約141gの軽量ボディーや、毎秒240回(240Hz)の高速駆動が可能な有機ELが大きな特徴だが、ディスプレイの視認性や画質も向上している。
AQUOS zero2では新開発の有機ELパネルを用いており、パネルの設計を見直すことで、前モデルの「AQUOS zero」から最大輝度が150%アップした。有機ELでは、白い画面を表示させたときよりも、他の色も表示させた方が高輝度になるため、高い輝度を必要とするHDRコンテンツで効果的だという。また、「AQUOS R3」で搭載した、屋外での視認性を向上させる「アウトドアビュー」もAQUOS zero2に搭載しており、有機ELモデルでは初採用となる。
AQUOS zero2では10億色(10bit)の表現も新たに可能になった。暗部の階調を細かく制御できるため、より黒つぶれを抑えられるという。また、従来の1677万色と比べて、広範囲のカラーボリュームをカバーできるようになったことで、より階調豊かな表現が可能になった。
また、画質で個体差が出ないよう、マスターモニターを使った画質の調整、光学測定器を同一光源で校正してズレが出ないようにした。また、生産ラインでも、ガンマや色度を個別に調整しているという。これにより、シャープは「マスターモニターで調整したかのような、バラツキの少ない高品質な映像を体感できる」としている。
もう1つ、AQUOS zero2で注目したいのが、スマートフォンでは数少ない、HDR映像技術の「Dolby Vision」と立体音響技術の「Dolby Atmos」の両方に対応していること。スマートフォンAQUOSでは、2018年夏に発売された「AQUOS R2」が、世界で初めて(※シャープ調べ)Dolby VisionとDolby Atmosに両対応し、他に「AQUOS zero」「AQUOS R2 compact」「AQUOS R3」も両対応している。他にiPhone XS、XRや11なども両対応しているが、Androidで両対応しているのは、現時点ではAQUOSのみだ。
ただし、Dolby Vision/Atmosに対応しているとはいえ、コンテンツもこれらに対応していなければ宝の持ち腐れになってしまう。
そんな中で今回、U-NEXTが、国内の動画配信サービスでは初めて、ハリウッドメジャースタジオ作品を、4K UHDで、Dolby VisionとDolby Atmosに対応させて配信する。まずは「ロケットマン」「ミッション:インポッシブル/フォートアウト」「バンブルビー」の3作品を皮切りに、数十作品の配信を予定している(U-NEXTのDolby Vision対応コンテンツ)。価格は通常の2K作品と同等になり、上記3作品はいずれも550円(税込み)。いずれもレンタルのみ。
Dolby Vision/Atmos対応のAndroid TV、Amazon Fire TV、Androidスマートフォンで視聴できる。なお、スマートフォン向けには2Kの解像度で配信する。iOS端末の対応については「検討中」(U-NEXT)とのこと。
U-NEXTは、AQUOS zero2向けにキャンペーンを実施する。AQUOS zero2からU-NEXTのキャンペーンページに登録すると、1200円分のU-NEXTポイントをプレゼントする。このポイントを使えば、Dolby Vision/Atmos対応コンテンツを無料でレンタルして楽しめる。また、ソフトバンクのAQUOS zero2には、U-NEXTのDolby対応コンテンツを簡単に視聴できるショートカットを、ホーム画面にプリセットする。
AQUOS zero2は、高速駆動するディスプレイを搭載していることから、ゲーミングでの用途に適していることが訴求されているが、6.4型の大画面、10億色の表現、141gの軽量ボディーは映像視聴にも適している。Dolby Vision/Atmos対応のコンテンツはまだ限られるが、AQUOS zero2を“プライベートシアター”として活用するのも有効だろう。
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