300g超えの重量級スマホ「Unihertz Titan」のQWERTYキーボードをじっくりと試す(1/2 ページ)

» 2020年02月06日 11時07分 公開
[長浜和也ITmedia]

 中国のUniherzが開発した「Unihertz Titan」(以下、Titan)は、スレートボディーにハードウェアQWERTYキーボードを搭載したAndroidスマートフォンだ。KICKSTARTERやCAMPFIREなどのクラウドファンディングで2019年7月から8月にかけて順次プロジェクトを公開し、いずれも目標額を超える支援者が集まり、2019年12月末から製品の出荷が始まった。

 筆者も8月にKICSTARTERに応募し、12月29日に製品を受け取った。ここでは、約2週間にわたってTitanを使用したレポートとして、ハードウェアキーボードと日本語入力の使い勝手を中心に評価した。

Uniherz Titan スレートタイプのボディーにハードウェアQWERTYキーボードを搭載した「Unihertz Titan」

デカくて重いボディー スペックと処理能力をチェック

 Titanは大きい。そして重い。本体サイズは92.5(幅)×153.6(高さ)×16.65(奥行き)?で、重さは303gというのが公式スペックだ。筆者に届いた機材(以下評価用機材とする)の重さを実測したところ、309gを示した。筆者が普段使っている「TORQUE G3」は、スマートフォンとしては重量級モデルで、サイズと重さは約71×145×13.6mm(最厚部16.9mmに約198g)だが、それでもTitanを使った後に持つと「うわ、軽い!小さい!」となるほどだ。

Uniherz Titan 実測すると重さは公称値よりわずかに重い309gだった

 ただ、このサイズでも(スーツの胸ポケットは無理にしても)スーツの内ポケットやズボンの後ろポケットにはすんなり入ってくれる。重さが300g強と重いのでスーツの内ポケットに入れたら形崩れしそうで心配だったが、3シーズン用のやや厚手のスーツに1日中入れて持ち歩いても、目立った形崩れや着姿の傾きなどは確認できなかった(夏用の薄手スーツではさすがに形崩れがはっきりと認識できたが)。

Uniherz Titan 正面から見て、右側面にはボリュームキーと電源キーを備える。なお、スイッチのように見える丸い部材は固定用のトルクねじだ
Uniherz Titan 左側面にはSIMスロットと、ショートカット操作が可能な“赤い”プログラマブルボタンを用意している
Uniherz Titan 上面にはヘッドフォンとマイクのコンボジャックがある
Uniherz Titan 下面には充電用のUSB Type-Cを搭載する

 Unihertzが公開しているTitanのスペックで本体サイズと重さ以外の項目は次の通りだ。

  • CPU……Octa Core(動作クロック2GHz)
  • システムメモリ……6GB(DDR4-1600MHz)
  • ストレージ……128GB(DDR4-1600MHz)
  • ディスプレイ(解像度)……4.6型(1430×1438ピクセル)
  • 無線LAN……802.11a/b/g/n/ac
  • Bluetooth……4.1
  • カメラ……アウト1600万画素、イン800万画素
  • NFC……対応
  • LTE Band……1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/19/20/25/26/28A/B28B/34/38/39/40/41/6
  • OS……Android 9
  • バッテリー容量……6700mAh(4V)
  • USB……Type-C
  • SIM……デュアルnanoSIMスロット(1機はmicroSDスロット兼用)
  • 本体サイズ……92.5(幅)×153.6(高さ)×16.65(厚さ)?
  • 重量……303g
Uniherz Titan 背面には1600万画素のカメラとフォトライトを備える
Uniherz Titan 正面には800万画素のカメラと近接センサーがある

 CPUに関する情報が「オクタコアで動作クロックが2GHz」とだけ公開されているが、CPU-Zで調べてみるとCPUとして搭載しているのは「MediaTek Helio P60」だと分かった。このCPUは2018年の初めにMediaTekがミドルレンジデバイス向けに開発した12ナノメートルプロセスルール採用モデルだ。物理コアは8基だが、big.LITTLEに対応したアーキテクチャで4基は処理能力を優先したCorte-A73で後の4基は省電力を優先するCortex-A53を組み合わせている。なお、グラフィックプロセッサは2017年にarmが投入した「Mali-G72 MP3」を採用する。

Uniherz Titan CPU-Zで確認した搭載CPUの“素性”

 搭載するCPUがミドルレンジモデルということで、成りは大きいが処理能力は控えめ、というのがTitanに関心を寄せる人における大方の予想だ。処理能力を測定するためベンチマークテストを実施してみた。しかし、ITmedia Mobileのレビューで実施実績の多い(よって比較するスコアの蓄積が多い)Antutu benchmark v8.1.9が動作しなかったため(ホーム画面に表示されたテストアイコンをタップしても変化なし)、PCMark 10や3DMarkで有名なUL BenchmarksのPCMark for Androidに収録されているWork 2.0で測定してみた。

 このベンチマークテストでは、Webブラウザ、動画編集、ワードプロセッサ、画像編集、データファイル加工など実際のデバイス利用場面を想定して、Android WebView、Android MediaCodec API、Exoplayer、Android EditText view、PdfDocument API、Android renderscript APIなどを呼び出して処理して測定した個別のスコアをさらにまとめて計算した「総合スコア」を算出する。ベンチマークテスト提供ベンダーとしては大手の1つであるUL Benchmarksには、世界中から測定スコアが集まっていて、自分で測定したスコアと比較することができる。

Uniherz Titan PCMark for Androidで測定したWork 2.0スコア

 今回、Titanで測定したPCMark for Android Work2.0のスコアは「7981」で、これはUL Benchmarksに集まっている同じテストのスコアと比べると「Black Shark」の8032、「OPPO F11 Pro」の8024の下、「OPPO F11」の7973より上という位置付けになった。

Uniherz Titan UL Benchmarksのベンチマークテストスコアのリストで比較するとOPPO F11 Proより低く、OPPO F11より高いという位置付けになった
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