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» 2020年02月10日 18時53分 公開

新生「auじぶん銀行」始動 2020年の事業戦略や大型キャンペーンを整理する (1/2)

auじぶん銀行が2月10日、戦略説明会を開催。臼井朋貴社長が、今後の事業戦略や、同日から実施している「auじぶん銀行、はじまる。行名変更キャンペーン」などについて説明した。KDDI、auフィナンシャルグループとの連携を進め、貯蓄から資産形成へのサポートを加速させていく。

[井上晃,ITmedia]

 auじぶん銀行が2月10日、戦略説明会を開催。臼井朋貴社長が、今後の事業戦略や、同日から実施している「auじぶん銀行、はじまる。行名変更キャンペーン」などについて説明した。

auじぶん銀行 中央が、auじぶん銀行の臼井朋貴社長

 auじぶん銀行とは、2008年にKDDIと三菱UFJ銀行の共同出資により設立した銀行で、主にスマートフォン向けのフルバンキングサービスを提供している。383万口座、預金残高1.3兆円、貸出残高1兆円という規模を誇り、同行によれば8割以上の利用がスマートフォンを経由したものだという。なお、同行は2月9日付で、「株式会社じぶん銀行」から「auじぶん銀行株式会社」へと行名を変更したばかりだ。

auじぶん銀行 同行が海外のアワードを受賞したサービスについて

 同行は2011年2月からスマートフォン向けのアプリを提供してきた。基本的な銀行口座取引だけでなく、スマートフォンで完結する住宅ローンや、スマホデビット、AI外貨予測、AI外貨自動積立などのサービスを展開するが特徴。臼井社長は特に、AI関連サービスが諸外国のアワードにおいて表彰されたことや、スマホデビットも2019年12月にロンドンの「Banking Technology Awards」で最優秀モバイルサービス賞(Best Mobile Initiative)を獲得したことについて、胸を張る。

「銀行を連れて、生きていこう。」

 auじぶん銀行を含むKDDIグループでは「スマートマネー構想」を掲げており、既報の通りPonta経済圏との統合も予定する。au WALLET ポイント保有者とPonta会員の合計数は1億を超え、年間ポイント付与額は2000億を超える。臼井社長はこれについて「auのお客さま基盤と、au WALLET ポイントとの統合を発表したPontaのポイント経済圏基盤を、au PAYをハブとし、エンゲージメントを高めていく」との旨を説明した。

auじぶん銀行 KDDIグループが掲げるスマートマネー構想について

 ブランドメッセージは、「銀行を連れて、生きていこう。」となる。臼井社長は「いつでもどこでも自分のいる場所が銀行になる。つまり、じぶん銀行」と話した。

auじぶん銀行 ブランドメッセージ

 さらに、キャッシュカードの券面が新しくなり、金色と白をベースにしたツートーンのカラーに変わる。「高級感を味わって欲しいという意味でゴールドをあしらったものになった」と臼井社長は説明した。

auじぶん銀行 auじぶん銀行の新しいキャッシュカードの券面イメージ

2020年度の3つの戦略

 auじぶん銀行が2020年度に掲げる戦略は以下の3つだ。

  1. KDDI、auフィナンシャルグループとの連携を進め、貯蓄から資産形成へのサポートを加速
  2. 競争力・魅力ある住宅ローンの提供
  3. 目指す姿とSDGs(持続可能な開発目標)への取り組み

 臼井社長は「仮想体験やツールを通じて、1人でも多くの人に資産運用に踏み出してもらえばよい」と述べており、資産形成を促す上で、アプリを通じた仮想体験とAI市場予測やセミナーなどのサポートによって顧客のハードルを下げることを狙う。

 具体的には、au PAYアプリのコンテンツとして提供されている「ポイント運用」の他、2020年6月には資産運用体験アプリの提供も予定しており、デモ取引でFXを体験したり、マンガを通じて注意点などを学べたりする機会を設ける。また、AIによる株価の予想や、PMI指数による景気動向のグラフィカルな表示、auじぶん銀行チーフエコノミストによるWebセミナー、スマートフォンから利用できるFP(ファイナンシャル・プランナー)による無料家計見直し相談などが、資産運用サポートとして用意される。

auじぶん銀行 資産運用体験アプリを6月から提供予定

 住宅ローンについては、2015年の12年から提供してきており、「がん+全疾病保証の団信内容」がオプションではなく標準として付帯することや、「ネット専業ならではのスピード審査」が同行の特徴だと説明。累計実行額は2020年1月には7000億円を突破している。

 auユーザーであれば、住宅ローンの利用で最大3万円分のキャッシュバックを受けられるなどの特典が用意されていることも特徴だ。2019年12月からは「じぶんでんき」もまとめて契約することで、適用金利から年0.03%の金利引き下げとなる仕組みも用意されている。また、2020年3月3日からは、条件を満たすと年利0.38%でローンが組める「金利引き下げキャンペーン」も実施する予定。

 なお、記者会見後の囲み取材にて、臼井社長は「われわれは店舗を持っていない分コストがかからず身軽。(中略)銀行でもうからなくても、(グループ)全体で収益になればよい」との旨を述べている。

auじぶん銀行 auじぶん銀行アライアンスとして、地域金融機関との連携推進による地方創生を目指すという

 SDGsに関しては、これまでも児童虐待防止のための「オレンジリボン運動」に協賛したり、オーストラリアの森林火災鎮静のための支援をしたりと、複数の取り組みを地道に行ってきたことを説明。今後はこうした取り組みを組織化して、全社を上げて取り組んでいくことを明らかにした。説明会のプレゼンテーション資料には、地域金融機関との連携推進による地方創生や、セミナーやWebを通じた金融リテラシー強化が、項目として挙げられていた。

 具体的には、同行が提供している「toto」のサービスを地方銀行へOEMで提供していく。2019年末に発表された通り、2020年5月には常陽銀行と十六銀行、8月には北海道銀行に提供予定。具体名は明かされなかったが、その他の3行にも合意を得ているという。スマホのアプリやAIの外貨予測など、モバイルバンキングのノウハウそのものも地方金融機関へ提供する考えだ。

 臼井社長は「共存共栄の関係で、良好な関係を築いていきたいと思っている。こうした取り組みを通じて、地方経済の活性化にも貢献していきたい」と述べた。

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