ニュース
» 2020年03月04日 11時00分 公開

MVNOに聞く:データフリーの考え方に変化? LINEモバイルが料金プランを刷新した狙い (1/3)

「データフリー」を特徴に掲げるLINEモバイルが、料金プランをリニューアルした。新料金プランでは、もともと同社の売りだったデータフリーをオプション化し、料金そのものの水準を下げた。なぜこのタイミングでLINEモバイルは料金改定に踏み切ったのか?

[石野純也,ITmedia]

 特定のサービスにアクセスした際のデータ通信量を“ノーカウント”にする「データフリー(当時:カウントフリー)」を引っ提げ、MVNO市場に参入したLINEモバイルが、料金プランを大胆に刷新した。

 新料金プランでは、もともと同社の売りだったデータフリーをオプション化。親会社のサービスであるLINEの通信量をカウントしない「LINEデータフリー」は0円のため、実質的にカウントフリー自体は続いているが、TwitterやFacebookを対象にした「SNSデータフリー」や、そこにLINE MUSIC、Instagramを加えた「SNS音楽データフリー」は、それぞれ280円(税別、以下同)、480円で提供されている。

 これに伴い、料金そのものの水準が下がり、音声通話対応の500MBプランは月額1100円で提供されている。3GBプランも1480円で、MVNO業界最安の水準を実現した。もともとのLINEモバイルの料金プランは、データフリーに対応している分、他社よりわずかながら割高になっている面もあったが、オプション化で外出しにすることで、低価格を打ち出せた格好だ。

LINEモバイル SNSや音楽サービスのデータフリーはオプションにする
LINEモバイル 従来よりも料金水準を下げた

 同社はソフトバンク傘下に入り、トリプルブランドの一角と位置付けられて以降、着実にユーザー数を伸ばしている。MVNO市場全体の成長が減速し、成長に陰りが見える会社も多い状況とは対照的だ。では、なぜこのタイミングでLINEモバイルは料金改定に踏み切ったのか。同社で代表取締役副社長を務める今村隼人氏と、同社の事業推進室事業戦略チームの岡田顕氏の2人にお話をうかがった。

データフリーの独自性が薄まっていた

―― まずは、新料金の特徴と、プランを改定した背景を教えてください。

今村氏 料金プランを基本料とデータフリーで別建てにしました。(ユーザーの)用途を見ていると、データフリーは使う方と使わない方がはっきり分かれていました。使う方には使う方向けに、そうでない方には安く提供した方がいいと考え、今の料金体系を採用しています。

―― データフリーを切り離すことで、最安を狙ったのでしょうか。

今村氏 結果的にという部分では、最安の水準まで下げたいと考えていました。

―― 一方で、データフリーはLINEモバイルの売りになっていました。ここを切り離してしまうと、普通のMVNOとあまり変わらないのではないでしょうか。

今村氏 一番重要視したのが、LINEフリーです。LINEは常に使える状態にしたいということで、LINEフリーは全プランに対応しています。そのため、全体のイメージが壊れることはないと思っています。

LINEモバイル 今村隼人氏

―― データフリーの満足度は、そこまで高くなかったということでしょうか。

今村氏 調査のタイミングによって変動はありますが、この1年で少し下がってきているのは事実としてあります。ソフトバンクもそうですが、MNOを中心に使い放題(に近いデータ容量)が入ってきた結果、独自性が薄まっていました。MVNOの中でも、BIGLOBEモバイルやOCN モバイル ONEが(ゼロレーティングを)やっていて、昔に比べると独自性は下がっています。

LINEモバイル データフリーよりも安さに満足しているユーザーが多いという調査結果も

―― 同じソフトバンクグループでは、Y!mobile(ワイモバイル)が分離プランを導入し、料金そのものは値下げしました。その影響はありましたか。

今村氏 そちらとの連動性は、あまり考えていませんでした。絶対額ではなく、シンプルな安さというところでは、Y!mobileやソフトバンクとも差別化ができていると思います。いろいろな割引を入れてもっと安くするという方法もなくはないですが、どなたでも安く使える料金として設定しています。

他の動画サービスもデータフリーに加える準備をしている

―― 一方で、3GBプランにSNSデータフリーを加えると、旧プランのコミュニケーションフリーの3GBより70円ほど割高になります。

今村氏 そうですね。ただ、SNSデータフリーも、使う方、使われない方がはっきりしています。まずは一律で料金を下げたいということからスタートしました。

―― SNSデータフリーでは、旧プランのコミュニケーションフリーにあったInstagramが外れ、SNS音楽データフリーの対象サービスになっています。

今村氏 ネーミングのところで、音楽SNSデータフリーにInstagramを加えたことに、引っ掛かる方はいるかもしれません。SNSデータフリー(の中のサービス)は、メッセージ中心のコミュニケーションツールとしてのSNSというイメージです。その1つ上の音楽SNSデータフリーには、LINE MUISCを加えています。そのカテゴリーをどうしようか考えたとき、少しリッチなInstagramもそちらに加えています。音楽サービスがもっといっぱいあれば、イメージは違ったかもしれませんが……。

―― LINE以外のストリーミングサービス、例えばYouTube MusicやApple Musicなどをデータフリーの対象に含めるということもあるのでしょうか。

今村氏 何社かとは、今コンテンツを入れるお話を進めていて、準備もしています。

―― これ以上、容量の大きいサービスを加えるのは難しいのでしょうか。例えば、動画フリーなどを入れると、やはりトラフィックや料金に対する影響が大きすぎるのでしょうか。

今村氏 トラフィックへの影響も当然ありますが、使い方として、私たちのユーザーにはガンガン動画を見るという方は多くありません。移動中などに、ちょっとだけ見るという方が中心です。(動画フリーを入れると)当然、値段にも反映されてしまいます。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia Mobile に「いいね!」しよう