―― ユーザー数の実数は公開されていませんが、グラフを見ると伸び率も高そうです。ソフトバンクの公開した資料で割合を定規で測れば、実数も分かりそうですが(笑)。その要因を教えてください。
岡田氏 昨年(2019年)はau回線を始め、マルチキャリアとして、どの回線をお使いの方でも、端末そのままで乗り換えていただけることを促進してきました。300円キャンペーンや、本田翼さんなどのCMでも広く認知を取れました。その結果、格安スマホの中でも認知度が上がってきています。
LINEモバイルのお客さまもそれなりに増えてきている中、紹介や口コミでの還流も多くなっています。最近では、特に女性の割合も増えています。口コミで入られる方は特に女性が多く、その相乗効果が出ています。
―― ユーザーが増えた一方で、通信速度はいかがでしょうか。以前はソフトバンク回線が非常に速かったと記憶しています。
今村氏 MVNO各社と同程度だと思います。トラフィックの多いお昼の時間帯には少し遅くなる傾向があります。ただ、極端に遅いかといわれると、そんなこともありません。
確かにソフトバンク回線は開始してから一昨年(2018年)の12月まで、キャンペーンをやっていました。最速チャレンジをしていたので、圧倒的に速度は速かったですね。今も遅くはありませんが、そこまでの速度は出ません。
―― ユーザーの不満がたまるほどではないということですね。
今村氏 MNOと比較すると不満はあるかもしれませんが、極端にそういう方が多いかと言うと、そうでもありません。ただ、最速チャレンジのイメージを持たれている方が、そこと比べて遅くなったというのはあるかと思いますので、そこはリカバリーしたいですね。
―― ソフトバンクのグループとして、いわゆる“ミルク補給”で帯域を思いっきり借りるというのは難しいのでしょうか。そこで赤字でも、ソフトバンク全体で見ればプラスマイナス0にはなるのではないでしょうか。
今村氏 LINEモバイル単体として事業運営しているので、それは難しいですね。ソフトバンクの100%子会社ではなく、株式の40%をLINEが持っていることもあり、なかなかそういうわけにもいきません。
―― 回線の比率としては、やはりソフトバンクが高いのでしょうか。
今村氏 お申し込みいただいている数での比率は、市場構成比に近いですね。ちょっとau回線が少ないぐらいですが、ほぼ市場構成比と同じになりました。
―― 先ほど口コミが多いというお話がありましたが、やはりオンラインでのユーザー流入が多いのでしょうか。
岡田氏 獲得構成は、7割、8割程度がオンラインです。(家電量販店などの)店舗も全国に設置していて、そこも伸びていますが、やはり一番はオンラインですね。
今村氏 補足すると、伸び率では、オンライン、オフラインとも、同じぐらいです。
―― ソフトバンクのグループ会社ということで、Y!mobileのようにソフトバンクショップで販売するということはやっていかないのでしょうか。
今村氏 サービスの提供会社が別なので、そこはちょっと難しいと思います。また、店舗をやると、どうしても固定費がかかってしまう。将来的にどうなるかは分かりませんが、なるべくそういうところにお金をかけず、料金を下げたいという思いがあります。プリペイドだとできなくはないのですが、通常の契約だとどうしてもカウンターやサポートが必要になってしまいますからね。
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