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au WALLETポイントがPontaポイントに統合――QRコード、クレカ、非接触。生き残るのはどれか石川温のスマホ業界新聞

» 2020年05月29日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」
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 5月21日、au WALLETポイントがPontaポイントに生まれ変わった。au PAYアプリではデジタルのPontaカードが発行できたり、既存のPontaカードとの紐付けが行えるようになった。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2020年5月23日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額税別500円)の申し込みはこちらから。


 KDDIではポイント経済圏の拡大に出遅れていたこともあり、Pontaと手を組んだことにより、他社に見劣りしないポイント経済圏を拡大できたのではないか。

 KDDIのキャッシュレスに対する取り組みはものすごく早かったにも関わらず、やり方が下手というか、世間に対するアピール下手なのが残念だ。この1年で、au WALLETからau PAYにブランド変更を行ったことで、なんとなくPayPayの後塵を拝するイメージになってしまった感がある。

 ただ、実際は他社に先駆けてプリペイドのプラスチックカードをバラマキ、キャッシュレスを推進していた。ただ、クレジットカードにおいては、楽天が圧倒的に強い。

 その点、ソフトバンクは、キャッシュレスやクレジットカードで出遅れていたものの、QRコード決済で一気にまくり上げてきたと言えるだろう。

 そんな中、au PAYに関しては、Apple Payにいち早く対応してきた点はもっと評価されてもいいと思う。

 実際の操作感としては、QRコードやプラスチックカードを提示するよりも断然、使い勝手が良い。au PAYであればクレジットカードとプリペイドカード、両方をApple Payに収納でき、使い分けができる点も便利だ。さらに海外ではコンタクトレスとしてApple Payを使えるところが増えているが、au PAYは国内ではJCBの「QUICPay」、海外ではマスターカードと提携しているので、いろんな場所でApple Payが利用できる。

 国内では「PayPayより使える場所が限られている」というイメージのau PAYであるが、QRコードやクレジットカード、プリペイドカード、さらにApple Payを組み合わせると、意外と使える場所は多かったりする。

 au PAYは世間の「キャッシュレスといえばQRコード決済」という雰囲気に流されて、QRコード決済推しとなってしまったのが何とももったいない。

 確かにApple Pay経由となると、払わなくてはいけない手数料も増えてしまうので、あまり注力したくないという事情は理解できる。

 コロナによってキャッシュレスの志向が高まる中、長期的な視点で見れば、QRコードよりも非接触の方がユーザーにとって優しいような気がしてならないが、世間の流れや業界動向的にはQRコード推しになるのだろう。最終的にどちらがユーザーに選ばれ、生き残るのかが興味深い。

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