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楽天ペイアプリでSuicaを発行してみた どんな人にメリットがある?(2/2 ページ)

» 2020年06月12日 14時30分 公開
[小山安博ITmedia]
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楽天ペイアプリだけではSuicaのフル機能は使えない

 モバイルSuicaアプリを使えば、特急券の購入などの、モバイルSuicaとしての機能をフルに使える。逆に言えば、楽天ペイアプリだけではSuicaの機能はフルに使えない。これはモバイルSuicaとGoogle Pay上のSuicaの関係と似ている。フル機能のSuicaサービスの利用にはモバイルSuicaアプリが必要になる。

 発行以外に楽天ペイアプリでできるのは、Suicaの残高確認と履歴の確認、そしてチャージ機能だ。この場合、メリットとなるのは楽天ペイに登録した楽天カードからのチャージに対応している点だろう。

楽天ペイアプリ チャージが行われると、楽天ポイントが後日付与される

 モバイルSuica自体は、現在はたいていのカードを登録しても無料で利用でき、楽天カードを登録してチャージできるが、最初にクレジットカードの登録作業が必要となる。それに対して楽天ペイアプリに楽天カードを登録している場合、そのままチャージ元として楽天カードを設定できるので、チャージだけなら新たにSuica用にクレジットカードを登録する必要がない(ただし、モバイルSuica上で特急券の購入などをするためにはモバイルSuicaにクレジットカードの登録は必要)。

楽天ペイアプリ楽天ペイアプリ こちらはモバイルSuicaアプリ。楽天ペイアプリでSuicaを発行した場合、モバイルSuicaはその情報を読み取ってくれる(写真=左)、ちなみにGoogle Payも同様に追加できる(写真=右)

チャージして楽天ポイントがたまる

 楽天ペイアプリからチャージすれば、楽天ポイントをためられる(200円につき1ポイント)。これまで、モバイルSuicaアプリ経由で楽天カードからチャージしてもポイントがたまらなかったので、チャージだけでポイントがたまるのは大きい。

楽天ペイアプリ楽天ペイアプリ 楽天ペイアプリとモバイルSuicaアプリのどちらでも履歴確認やチャージが可能(もちろんGoogle Payでも)。モバイルSuicaアプリを使えば特急券など、全機能が使えるようになる

 もともとモバイルSuicaを活用していて、ビューカード経由でJREポイントをためていた、という人にとってはあまりメリットはないが、モバイルSuicaにビューカード、楽天ペイに楽天カード、Google Payで他のカード、といった具合に複数のチャージ方法を切り替えることはできる。

 Suicaチャージで1000円ごとにJREポイントが15ポイントたまるビューカードと、200円で1ポイントの楽天カードという差はあるが、楽天カードと楽天ポイントをメインにしている人にとっては大きなメリットとなりそうだ。ちなみに、楽天ペイアプリからは楽天カードでのチャージにのみ対応している。

 楽天にとっては、Suicaの利用で楽天カードの利用率の向上や、楽天ペイアプリ自体を起動するという接触率の向上が狙える点がメリットだし、Suica側にとっては、楽天経由でSuica利用率が向上する、発行が増加する、というメリットが考えられる。

 JR東日本エリア以外でSuicaはあまり使わないし、JREポイントもほとんどためられない、という人も、楽天カードを経由して楽天ポイントをためられるならメリットはあるだろう。その際に、気軽にSuicaを発行してチャージしておける点は便利そうだ。一時的にSuicaを使いたい、ついでに楽天ポイントも……というニーズにも応えられるだろう。

 そうした意味では、モバイルSuicaのヘビーユーザーというよりは、JR東日本エリア外の人や、「今までSuicaカードを使っていてモバイルSuicaを試してみたい」「楽天ポイントをさらにためる機会が欲しい」といった人がターゲットになりそうだ。

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