世界を変える5G

ソニーモバイルに聞く「Xperia 1 II」 5G対応からカメラの進化、イヤフォンジャック復活まで(2/2 ページ)

» 2020年06月12日 06時00分 公開
[山口健太ITmedia]
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3.5mmイヤフォンジャック「復活」の理由とは

―― カラーバリエーションについて、Xperia 1 IIのパープル色は前モデルとだいぶ印象が変わっています。

Xperia 1 II ミラー調の仕上げが印象的なパープル

渡邊氏 前モデルでは原点回帰としてパープルを採用しました。Xperia 1 IIでは「キャプチャードモーメント」をコンセプトに、ミラーとパープルを掛け合わせた色としました。ミラーには周囲の環境を切り取ったように映ることがありますが、これは20fpsの高速連写で「瞬間を切り取る」意味とかけています。

Xperia 1 II 商品設計部門 機構設計部の櫻井敬久氏

―― Xperia 1 IIの本体デザインは前モデルより角張っています。意図的なものでしょうか?

櫻井氏 5G対応の初号機として、さまざまなハイスペックを凝縮するということから、一切の無駄を排除し、直線的なデザインとしました。機構設計としては丸みを帯びた方が強度的には有利で、角張った方が不利なのです。テクノロジーフラグシップとして、これまで以上にシミュレーションとデザイン調整を繰り返しました。

―― 3.5mmのイヤフォンジャックを復活させた狙いを教えてください。

渡邊氏 USB Type-Cと3.5mmの変換ケーブルがいらないというメリットもありますが、Xperia 1 IIでは音質にこだわるユーザーを重視しました。変換ケーブルを排除することでチャンネルセパレーションが向上し、ノイズは10分の1に低減できました。

Xperia 1 II 最近のハイエンド機は珍しいともいえる、3.5mmイヤフォンジャックが復活した

Xperia 1よりも機能を増やしながら薄型化に成功

―― 内部のレイアウトはどう変わったのでしょうか。

櫻井氏 無理難題に苦労しました(笑)。ディスプレイ上部のベゼルでは、前モデルからインカメラのデザインを変えています。スピーカーはフロントに向けましたが、防水などのために幅を取ることになりました。

Xperia 1 II 商品設計部門 商品部の和久健二氏

和久氏 Xperia 1 IIではワイヤレス充電にも対応しました。バッテリー容量は3300mAhから4000mAhになり、体積は増えています。熱設計は、スタックアップ(組み立て)をする前からシミュレーションを繰り返しました。

渡邊氏 Xperia 1よりも機能を増やしつつ、厚さが8.2mmから0.3mmも薄くなったのは本当にすごいなと思っています(笑)。

Xperia 1 II Xperia 1よりも角張ったデザインになり、薄型化にも成功した

―― Xperia 1 IIのディスプレイには「90Hz相当」の残像低減技術を採用しました。なぜ90Hzそのものではないのでしょうか。

渡邊氏 現状では4Kのハイフレームレートコンテンツはそろっていません。4Kは情報量が大きく、90Hz駆動は技術課題も多いのです。一方、主にゲーム用途では残像低減のニーズは高いため、さまざまなバランスを検討してオーバードライブによる残像低減としました。

―― 国内でXperia 1 IIの発売はなぜ遅れたのでしょうか。「Photography Pro」に不具合が出たとのウワサもあるようですが。

渡邊氏 発売時期に関して弊社がお答えする立場にはありませんが、開発自体に問題があったというわけではありません。

―― Photography Proが発売に間に合わなかったのはなぜでしょうか?

渡邊氏 本格的なカメラユーザーを満足させることを目指し、社内の高度な品質基準を満たすことを優先しました。

【更新:2020年6月12日17時27分 発売時期とPhotography Proの対応についての回答が混在していたため、分けて記載しました。】

―― Xperia 1 Professional Editionのように、SIMフリーでの展開はありますか。

渡邊氏 ユーザーニーズも見ながら、検討していきます。

取材を終えて:初の5G対応と薄型化という課題を両立

 5G対応スマホでは、アンテナの追加や発熱対策、バッテリー増量などの必要性から、最初のモデルではある程度のサイズアップが避けられないものと筆者は予想していた。

 だが、Xperia 1 IIでは5G対応やバッテリー増量、ワイヤレス充電やイヤフォンジャックの追加を実現しつつ、前モデルより薄くなったのは驚きだ。その裏では、開発陣がさまざまな工夫を重ねたことが伝わってきた。

 また、カメラは単に業界トレンドを追うのではなく、レンズ交換式「α」シリーズとの連携を図っている。定評あるカメラ製品を持つ、ソニーならではの強みを生かしてきたことに注目したい。

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