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» 2020年06月17日 15時15分 公開

ワンセグスマホをどう説明する? 5G基地局は「2021年度末までに5万局」――2019年度KDDI株主総会、注目の一問一答 (1/2)

KDDIが2019年度の定時株主総会を開催した。新型コロナウイルスの影響で従来とは違う形態での実施となったが、どのような質問が出たのだろうか。通信に関連する質疑をまとめた。

[井上翔,ITmedia]

 KDDIは6月17日、第36期(2019年度)の定時株主総会を開催した。新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、今回の総会は会場への入場者を100人程度に限定し、例年実施している事業報告とプレゼンテーションは割愛され、報道関係者の傍聴も、会場内の別室ではなくWebによる遠隔対応とされた。

 この記事では、同総会で行われた株主と同社経営陣との質疑応答のうち、通信事業に関わる主要なものを体裁を整えた上でまとめる。なお、KDDI側の出席者の役職名は、株主総会終了前のものとしている。

開始直前 開始直前の株主総会会場。例年通りの場所だが、今回はソーシャルディスタンスを十分に確保した座席配置となっている。実際に出席した株主は82人だったという
高橋社長 総会の議長を務めた高橋誠社長。高橋社長を含め、KDDI側の出席者は全員マスクを着用していた

事前質問への回答

 会場における質疑応答に先立って、村本伸一専務が株主からの書面による質問に回答した。

―― 5Gへの移行やCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)禍と同時進行後の「ニューノーマル(新常態)」に向かって、どのような具体的な行動をされますか。

村本専務 世界中で新型コロナウイルス感染症が拡大する中、国内でも「緊急事態宣言」下でテレワークやオンライン教育、オンライン診療を支える通信インフラの重要性が改めて顕在化しました。また、感染拡大を抑制する目的から、通信事業者が保有する人流データを統計的に加工した上で、緊急事態宣言前後における人々の移動実態などの計測も行いました。

 現実社会で起きている事象をリアルタイムにビッグデータを活用してサイバー空間に投影し、解析によって解決策を見いだすことは、(日本の)政府が進めている「Society 5.0」の1つの事例であり、日本社会が早期の実現を求めています。当社は強靱(きょうじん)な5Gネットワークを早期に全国へと整備して、ニューノーマルに向けた日本社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に貢献していきたいと考えています。

 個人(向け事業)においては、ネットを使った消費活動が拡大し、多様化してきました。5Gならではの特徴を生かして、魅力的なサービスを提供すると共に、スマートフォンを使った各種ライフデザインサービスの利便性を高めて、さらなる充実を図っていきます。企業(法人向け事業)においては、リモート環境の構築やDXによるビジネスモデルの構築に対するニーズが高まっています。当社の強みであるネットワークやクラウド、データセンター、セキュリティーなどをパッケージで提供し、法人のお客さまの本業に貢献していきます。

 5Gの活用については、各業界のリーディング企業と協業してユースケースを開発しています。物流、ガス、建設、不動産などの企業と実証実験を進めています。地方創生では、コーポレートファンドを立ち上げ、当社が持つさまざまなリソースやノウハウの提供を通して、地域の企業やベンチャー企業と共にサステナブルにビジネスモデルの構築に取り組んでいます。

取り組みその1
取り組みその2 「ニューノーマル」に向けた行動方針

―― SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境、社会、企業統治)にどう対応して、通信自体を地球への負荷を少なくして持続していくのでしょうか。

村本専務 SDGsについて、当社は2030年に向けて「KDDI Sustinable Action」プランを策定しました。当社が重点的に取り組む社会領域の課題として「地球環境の保全」と「災害対策・通信基盤の強靱(きょうじん)化」を掲げています。(質問が)ご指摘の通り、「地球環境への負荷削減」と「通信基盤の維持」をいかに両立させるかが、通信事業者としての責務であり、課題であると認識しています。

 データセンターでは、CO2(二酸化炭素)の排出量を削減する取り組みをしています。高効率の無停電電源装置(UPS)や直流電源装置や効率的な空調運転制御システムを採用し、電力使用量の削減を図っています。空調機(自体)にも先端の技術を取り入れています。サーバルームの熱を屋外に放出し、粉じんなどを取り除いて湿度を調整した冷たい外気を取り込むことで、空調にかかるエネルギー量を大幅に削減しています。

 これらの取り組みによって、自社のCO2排出量を2013年度比で7%削減するという目標を達成し、さらに国際社会を含めた世の中の地球環境保全の取り組みに積極的に協力することで、2050年には実質ゼロを目指します。

 通信基盤維持に向けた取り組みとしては、国際通信を支える海洋ケーブルの多ルート化を進めています。この4月には沖縄〜九州間の新たなケーブルの運用を開始しました。このケーブルの敷設に当たっては、サンゴなどの海洋生物の生態系を考慮し、ルート選定を行いました。海洋ケーブルは、漁業や地震による障害発生が避けられませんが、ルートを冗長化することで、通信サービスへの影響を最小限とするように努めています。今後も海洋汚染の防止と共に、環境保全も十分考慮して海洋ケーブルの敷設工事を進めていきます。

 通信は、本質的に移動に要するエネルギーと時間の削減につながり、社会全体のCO2排出量の削減に貢献します。5GやIoT(モノのインターネット)の活用は、さまざまなビジネスプロセスを効率化し、CO2や消費エネルギーの削減にも寄与します。今後も新技術を積極的に導入して、地球環境への負荷削減と、通信基盤の維持・強化に努めます。

環境への取り組み 環境への負荷削減と通信基盤の維持・強化に取り組む
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