―― 逆に、スマホプランLを廃止して料金プランが2本立てになりました。この狙いと影響を教えてください。
竹澤氏 考えていたのは、auとUQ mobileの双方でお客さまのニーズに応える料金ラインアップがそろっていればいいということです。au側は、今、アンリミテッド(auデータMAX 4G LTE/5Gなど)が中心ですが、そのアンリミテッドな料金プランはキャンペーンを使えばまあまあ手ごろな価格になります。スマホプランLのレンジでお支払いしているような方は、ちょっと足せばauのアンリミテッドに入れてしまうんですね。1年後ぐらいを考えたとき、アンリミテッドの勝負になるのであれば、そちらに行っていただくのも選択肢の1つではないかと思います。
また、これは後付けっぽく聞こえるかもしれませんが、料金プランが3つもあると、お客さまはなかなか決めてくれない。店頭からも「2つだとスタッフが勧めるのが楽です」という声が挙がっています。そういった副次的な効果もあります。お客さま本位で、シンプルな形でやるというのは、昨年10月に出したプランもそうです。半年間のキャンペーンなどで値下げするのではなく、ずっと提供できるフレームを打ち出した方がいいのではないか。今回も、その考えは踏襲しています。
―― 確かに料金が半年で変わるのは、正直分かりづらい印象があります。
竹澤氏 逆にわれわれのプランは通話定額をオプションとして切り出していますが、今は通話ならいろいろな形でできますからね。ここは、お客さま次第だと思っています。楽天モバイルをよく研究したのでどうしても例えが楽天モバイルの話になってしまいますが(笑)、「Rakuten Link」もどう化けるのか注目しています(楽天モバイルのUN-LIMITは通常の通話料が30秒20円だが、RCSを使ったRakuten Linkで発信すると無料になる)。
―― 通話定額はオプションですが、この選択率はいかがですか。
竹澤氏 まあまあいますね。まだ「みんなデータでいいよね」とはなっていません。安心感もあるのだと思います。
―― 自分の場合は仕事以外だと、コールセンターにかけたりすることがあって、どうしてもある程度の定額は必要になってしまいます。
竹澤氏 電話を使ったコールセンターの在り方も、次第に減らしていってもいいのかもしれませんが、お客さまのことを考えるとまだまだ難しいですからね。うちもチャットを併用してはいますが。
―― 新料金と同時に端末も発表しました。端末は、どういった方向性でそろえているのでしょうか。
竹澤氏 2つあります。グループ内の効率化も含め、MNOからMVNOに移る方がいます。そういった方々には、iPhoneは言うに及ばず、メジャーブランドのXperiaだったり、Galaxyだったりが必要になります。そういったラインアップを欲する方がいる一方で、そうでない方もいます。OPPOやHuaweiなどの端末は、いち早く手掛けてきた歴史もあるので、それなりにファンの方もいらっしゃいます。この2つは、きちんと大事にしていきたいですね。
ただし、MNOから移る方の中には、料金にセンシティブでリテラシーの高い方だけではありません。シニアの方々が増えてきたとき、そういった端末がないと厳しいので、シニアモデルのような領域もそろえておいた方がいい。その全体が、ラインアップの充実感につながると考えています。
―― 売れ筋はどういったところですか。
竹澤氏 「iPhone 7」は安定していますが、Androidでは「Galaxy A20」ですね。Galaxyはコストパフォーマンスが高く、そのあたりの価値がうまく(ユーザーに)当たっています。あとは、1つ前の「AQUOS sense 2」ですね。まだ併売はしていて、支持が高いモデルになっています。
―― 今回はOPPOの「Reno3 A」を導入しました。売れ筋だった「Reno A」の後継機ですが、期待はいかがですか。
竹澤氏 店頭では、SIMフリーモデル(家電量販店やオンラインストアで販売されるモデルを指す)より安くしています。UQオンラインショップでは1万800円(税込み、以下同)を割り引く施策も実施しています。
―― ちなみに、OPPOに限らずですが、メーカーが独自に販売するSIMフリーモデルも数がかなり増えています。Y!mobileを見ると、オンラインストアや家電量販店で、そういった端末にSIMカードをセットして値引きまでしています。UQ mobileも、そういったところに手を広げていく可能性はありますか。
竹澤氏 一部は取り込んでいきたいですね。ただ、あそこまで手広くできるのか、やった方がいいのかというのは、様子を見ながら決めていきます。10月以降、端末と回線の分離によって、お客さまも買い方としてもWeb経由が増えています。当社についても、そこの比率が若干上がっています。上がるというのはイコール、端末は自分で用意している方が増えているということです。そういった変容が少し見られるため、そこに応えるチャネルを少しずつやっていきたいと考えています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.