プラン改定したUQ mobileとY!mobile、どちらがお得なのか? ドコモはどう出る?石野純也のMobile Eye(1/2 ページ)

» 2020年06月13日 07時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 UQコミュニケーションズが「UQ mobile」の料金プランを改定したことを皮切りに、サブブランド同士の戦いが激化している。楽天モバイルの本格サービス開始が、既存のサブブランド同士の競争に火をつけた格好だ。UQ mobileの新料金プランが開始になった6月1日には、ソフトバンクがY!mobile(ワイモバイル)の料金プラン改定を発表。容量超過後の速度を向上させる方向で足並みをそろえた。Y!mobileの新料金は7月1日から適用される。

UQ mobile
Y!mobile UQ mobileとY!mobile、両サブブランドが料金プランを改定した

 では、2社のプランにどのような違いがあるのか。その中身を分析していくとともに、モバイル市場の動向に与える影響を見通していきたい。

UQ mobile対抗で動いたY!mobile、容量超過後の速度は1Mbpsに

 6月1日から始まったUQ mobileの新料金プランは、楽天モバイル対抗を強く意識したものだ。もともとは「S」「M」「L」の3本立てだった「スマホプラン」を、2つに絞り込んだ。具体的には「スマホプランS」を残しつつ、「スマホプランM」を「スマホプランR」へと変更し、必要性が薄くなった「スマホプランL」を廃止している。スマホプランRは、スマホプランMより容量が1GB増え、トータルで10GBになった上に、容量超過後の速度が300kbpsから1Mbpsへと高速化している。

UQ mobile スマホプランSとスマホプランRの2本立てになったUQ mobileの料金プラン

 1Mbpsは、楽天モバイルのパートナーエリアで、5GBの容量を超えたときの速度と同じ。スマホプランRの月額2980円(税別、以下同)という金額も、楽天モバイルのUN-LIMITプランと同額だ。自社回線エリアで容量無制限を打ち出している楽天モバイルと比べ、10GBまでと容量は少ないが、現状だと、エリア面積ではau回線を使うパートナーエリアの方が広い。同じauエリア同士で比べると、UQ mobileの容量の方が大きく、しかも容量超過時の速度も変わらないというわけだ。

UQ mobile 1Mbpsは、楽天モバイルのパートナー回線で容量を超過したときの速度と同じ。2社が速度を引き上げたのは、ここに対抗するためだ

 このUQ mobileの料金改定に対抗したのが、Y!mobileだ。Y!mobileは6月1日に、「スマホベーシックプランM」と「スマホベーシックプランR」の改定を発表。7月1日から、スマホベーシックプランMは容量が9GBから10GBに増量される上に、両プランとも、容量超過時の速度は128kbpsから1Mbpsに高速化する。データ容量が3GBの「スマホベーシックプランS」は現状のままだ。

 ソフトバンク広報部によると、Y!mobileの料金プランは「市場環境に鑑みて改定した」という。楽天モバイルが引き金になり、そこに対応したUQ mobileの後を、連鎖的にY!mobileが追ったという構図だ。ただし、UQ mobileがプランを2つに絞り込んだのに対し、Y!mobileは“松竹梅”の3本立ては維持しており、2社に差はある。

UQ mobile 3本立ての料金プランは生かしながら、スマホベーシックプランMとRの中身を改定した

 サブブランドには大容量よりも低料金を求めるユーザーが多く、Y!mobileも「主力はスマホベーシックプランSやM」(同)だという。UQ mobileも同様の理由でスマホプランLを廃止したが、Y!mobileは「一定数、スマホベーシックプランRを選択するユーザーもいるため、現行のプランは残した」という。

音声通話の扱いで金額が分かれる、柔軟性が高いのはUQ mobile

 2つの料金プランを絞ったUQ mobileと、3つのまま一部プランの容量や容量超過時の速度を見直したY!mobileだが、2社の料金は金額も異なる。UQ mobileのスマホプランSは1980円、スマホプランRは楽天モバイルのUN-LIMITと同じ2980円だが、Y!mobileのスマホベーシックプランSは2680円、スマホベーシックプランMは3680円と、UQ mobileよりそれぞれ700円高い。

 理由は、Y!mobileが10分間の音声定額を含んだセット料金になっているためだ。対するUQ mobileは、音声定額に3種類のオプションを用意。Y!mobileと同じ10分間の定額は700円で、これを付けると全体の金額も同じになる。より通話が少ない人向けに、1カ月60分までの無料通話を付けた500円のオプションや、1700円の完全定額も選べる。

UQ mobile UQ mobileの料金は、通話定額のオプション化によってY!mobileより安く抑えた

 同条件なら金額は同じだが、音声通話をほとんど使わない人にとっては、UQ mobileの方がお得感があるといえる。音声通話がオプションとして選べるため、使い方に合わせられる柔軟性を持った料金プランに仕上がっている。一方のY!mobileは、選択の複雑さを排除し、シンプルな料金プランにすることに徹したという。

 2019年10月に開催された発表会で、UQ mobileとY!mobileの金額差について問われたソフトバンクの常務執行役員 寺尾洋幸氏は、次のように語っている。

 「音声を別にして、いろいろなものを組み合わせるのが本当にいいのか。われわれは、誰にでも分かりやすく使っていただきたいというのがある。パッケージにした方が分かりやすい」

Y!mobile Y!mobileは、1回10分までの準通話定額がセットになったシンプルさをアピールしている

 ただし、Y!mobileは新規契約の場合、「新規割」が適用され、6カ月間700円の割引を受けられる。10分間の音声定額が付きながら、UQ mobileと同額になるというわけだ。ただし、これはあくまで期間限定。1980円や2980円といった金額が大々的にアピールされているが、ベースとなる金額はUQ mobileに軍配が上がる。UQコミュニケーションズの企画部門 事業企画部長の岩崎達行氏が「料金はスマホプランSでずっと1980円。途中で高くなることもない」と強調したのは、Y!mobileの新規割を意識した発言といえる。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年08月11日 更新
  1. 楽天の三木谷氏がStarlinkに言及――「正直に言って……」 AST SpaceMobileは過疎地域や海上で効果発揮か (2026年08月10日)
  2. LINEの「ミュートメッセージ」有料化へ 相手のスマホを鳴らさずに送れる便利機能 (2026年08月10日)
  3. KDDIからの独り立ちを目指す楽天モバイル、ローミング交渉の現在地――両社の考えを整理 (2026年08月10日)
  4. 【ワークマン】1900円の「アーバンマルチストレージショルダー」 大きく開く小分けポケット搭載 (2026年08月10日)
  5. ハイエンドスマホ「arrows Alpha」、IIJで半額以下の3万円台に 11月4日21時59分まで【スマホお得情報】 (2026年08月10日)
  6. ソニーに聞く「Xperia 1 VIII」の裏側 デザイン刷新や20万円超えの理由、物議を醸したAIカメラ新機能の真相 (2026年08月10日)
  7. NHK受信料パトカー・消防車から徴収問題、猛反発を受け「検討を進めていく」と会長 (2026年08月07日)
  8. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  9. 楽天モバイルのローミングは「予定通り9月末に終了」 ただし「ルーラル限定で継続」の可能性も (2026年08月07日)
  10. 楽天モバイルの「営業損失」と「解約率」は改善を継続――楽天グループが2026年度第2四半期決算を発表 (2026年08月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー