楽天モバイルの本格サービス開始を引き金に、サブブランド2社が競争を仕掛けた結果、どちらも以前よりお得感が強くなっている。この影響が直撃しそうなのが、MVNOだ。UQ mobileのスマホプランSは、3GBで1980円と、大手キャリアのグループではないMVNOと比べても、そん色ない水準に下がっている。IIJmioは、3GBのミニマムスタートプランが音声通話対応で1600円、OCN モバイル ONEの3GBコースは1480円、mineoのAプランの3GBプランは1510円と、いずれもUQ mobileのスマホプランSより、380円から500円程度安い。
一方で、UQ mobileやY!mobileは、混雑時の通信品質が安定しており、リアルな販売店も多く抱える。この程度の差額であれば、サブブランドでいいと考える人がさらに増えても不思議ではない。
しかもUQ mobileとY!mobileは、双方とも、料金プランの改定で、10GBのプランがさらにリーズナブルになった。容量超過時に1Mbpsで通信可能となり、画質を問わなければ動画も無制限に視聴できる。もともとY!mobileは、“格安スマホ”のくくりではトップシェアを取っていたが、UQ mobileが対抗し、両社のプランに磨きがかかっていくに従い、MVNOにとってさらなる脅威になったといえそうだ。
サブブランドの競争という観点では、ドコモも蚊帳の外に置かれている。同社は以前から、サブブランドは作らず、メインの料金プランでY!mobileやUQ mobileに対抗する方針を示していた。段階制の料金プランであるギガライトを導入したのも、対サブブランドを意識してのことだ。とはいえ、ギガライトは2980円で利用できるのが1GB未満の場合のみで、Y!mobileやUQ mobileの料金プランには対抗できていない。2社への流出が増えるようであれば、何らかの対策を検討する必要が出てくるかもしれない。
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