NTTドコモは9月14日、同社の決済サービス「ドコモ口座」を悪用した銀行預金の不正出金の最新状況と、今後の対策について説明した。ドコモの携帯電話回線(契約)とひも付けていない既存ユーザーについても、今後口座からのチャージを利用する際に「eKYC(電子的方法による本人確認)」を実施することで本人確認を強化する。
同日0時現在、11の銀行において120件、総額2542万円の不正出金が報告されたという。9月10日時点では12の銀行から被害報告があったとのことだが、精査の結果、1社についてはドコモ口座とは無関係であることが確認されたという。今回の報告で増えた54件のうち、1件は口座の新規登録を中止した後に発生した被害だ。
さかのぼることができる限りにおいて最も古い不正出金被害は2019年10月に確認されたという。ドコモ口座(とd払い)の規約が変更されキャリアフリー化が行われたタイミング(2019年9月下旬)と近いことから、「ドコモ回線とひも付けずに作成したdアカウントでドコモ口座を開設し、Web口座振替の受け付けの本人確認が甘い銀行を狙った」という構図が浮かび上がる。
(オート)チャージの登録に対応していた銀行のうち、22行では登録済み口座も含めて新規のチャージを停止している。チャージサービスを継続している銀行についても、先述の通り、ドコモ回線とひも付いていない場合はeKYCによる本人確認が完了しない限り新規のチャージは行えない。
また、被害の申告に基づいて、不正利用が疑われるドコモ口座については一時的に利用を停止している。
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