世界を変える5G

ゲーミングスマホ「ROG Phone 3」は快適だが、ゲーム市場の異変が気になる MVNOの5G SIMも試した(1/3 ページ)

» 2020年10月09日 12時00分 公開
[島徹ITmedia]

 ASUS JAPANから、5G対応ゲーミングスマートフォンの新モデル「ROG Phone 3」が発売された。メモリ容量の異なる2機種を用意し、16GBモデルが12万9800円(以下税別)、12GBモデルが11万9800円だ。

ROG Phone 3 ASUS製「ROG Phone 3」

 今回は16GBモデルをお借りしたので、実際の利用感を紹介していく。ただ、今回テスト利用するにあたって、ゲーミングスマホとスマホ対応ゲームの間で、ユーザーとしては気掛かりな変化が生まれつつあると感じられた。この点を含めて、ROG Phone 3の各機能からゲーミングスマホの便利さ、購入時のチェックポイントを見ていこう。

ゲーミングらしいこだわりのパッケージと周辺機器

 ROG Phoneといえば、近年のトレンドとなりつつあるゲーム対応スマホのパイオニア的存在だ。「フォートナイト」や「PUBG Mobile」といったバトルロイヤル系のTPSやFPS、MMORPGなどを長時間快適にプレイできる仕様を追求している。

 主な特徴は、Qualcommの最新ハイエンドプロセッサ「Snapdragon 865 Plus」に加えて、付属の外付け空冷ファン「AeroActive Cooler 3」、横画面のゲームプレイ時にゲームパッドでいうトリガーキーとなる「AirTrigger 3」を搭載していること。また、背面には色のカスタムが可能なLEDも搭載する。

ROG Phone 3 付属の外付け空冷ファン「AeroActive Cooler 3」を装着。冷却ファンに加えて、USB-C端子とイヤフォン端子の増設、スタンド機能も持つ

 本機のパッケージも特徴的で、ゲームやSF作品で見たことのあるような武器やアイテムボックスを想起させるパッケージとなっている。中には本体や空冷ファンの他、最大30Wの急速充電器やケース、その他各種付属品が収納されている。

ROG Phone
ROG Phone 今どきのスマホとしてはかなり大型かつ、付属品が充実している
ROG Phone 3 右が付属のケース、左は装着すると背面が光る「ROG Lighting Armor Case(3980円)」だ
ROG Phone 3 発売未定だが、分離して本体に装着したり単体ゲームパッドとして利用したりできる「ROG Kunai 3 Gamepad(1万980円)」も用意
ROG Phone 3 前モデル「ROG Phone II」向け周辺機器の多くは、ROR Phone 3でもそのまま利用できる

 この他、豊富な周辺機器も販売。以前の周辺機器との後方互換性も確保しており、Androidでスマホゲームを快適に楽しみたいなら、このモデルを買っておけばいいという安心感がある。

ヘビーなゲームプレイに特化したディスプレイとプロセッサを搭載

 本体を手にしてまず目を引くのが、6.59型の大画面フルHD+(1080×2340ピクセル)の有機ELディスプレイだ。ゲーミングスマホらしく、リフレッシュレートは144Hzに対応。対応ゲームアプリなら最大144fps(frame per second、1秒間の表示コマ数)表示が可能になり、一般的なスマホの60fps表示と比べてより滑らかな映像を表示できる。

ROG PhoneROG Phone 6.59型の大画面フルHD+(1080×2340ピクセル)の有機ELディスプレイを搭載。平面なのでゲームプレイに適している。輝度が最大1000nitでHDRに対応。指紋認証センサーも内蔵する(写真=左)、背面にはトリプルカメラと、ゲーミングスマホらしいLEDのロゴを搭載。右のアクセント部分には放熱用の大型ヒートシンクが内蔵されている(写真=右)

 タッチパネルもサンプリングレートが270Hz、タッチ応答速度25msと、一般的なスマホよりも素早くタッチ操作を検知して操作に反映してくれる。また、ゲームとは無関係だが指紋認証センサーもディスプレイに内蔵している。

 Snapdragon 865 Plusは、多くのハイエンドAndroidスマホに搭載されているSnapdragon 865の最大動作周波数を2.8GHzから3.1GHzに引き上げたものだ。GPU性能が約10%向上しており、16GBまたは12GBの大容量メモリを含め高いスペックを実現している。ベンチマークでもXモードを有効にして空冷ファンを動作させた状況なら、Antutuベンチマークで60万点台を突破できた。通常のSnapdragon 865では難しいスコアだ。

ROG PhoneROG Phone Playストアにはなく独自のインストールが必要だが、「Antutu Benchmark v8.4.3」でスコアを計測。通常のSnapdragon 865ではまず出ない60万越えのスコアを記録した(写真=左)、「3DMARK」でも通常のSnapdragon 865搭載モデルと比べ、10%ほど高いスコアを記録した(写真=右)

ROG Phone 3 本体右側面には電源キーとボリュームキーの他、ゲーム中に利用するタッチセンサー「AirTrigger 3」を上部と下部に搭載
ROG Phone 3 左側面にはデュアルSIMカードスロットと、空冷ファンを取り付けられるUSB Type-C端子+独自端子を搭載。端子部は付属のゴムキャップでカバーできる

 ゲームプレイ中の充電で気になるUSB Type-C端子は、側面と底面の両方に搭載。縦画面と横画面どちらのゲームタイトルを遊ぶ際も、充電ケーブルが邪魔にならずに済む。

ROG Phone 3 側面底面にUSB Type-C端子を搭載。付属のイヤフォン端子の変換アダプターや、30W充電器を同時に接続できる

 本体にイヤフォン端子は搭載されていないが、空冷ファン「AeroActive Cooler 3」を装着するとUSB Type-C端子に加えてイヤフォン端子も利用できる。このあたり、ROG Phone 3は普段使いのスマホではなく、空冷クーラーを装着しっぱなしでゲームアプリを楽しむ、ゲーム専用機であることを前提とした設計とも感じられる。

ROG Phone 3 「AeroActive Cooler 3」を装着すると、横画面のゲームアプリを楽しみつつUSB Type-C端子やイヤフォンを利用できる。ゲーム配信で、プレイしながらHDMI出力を利用したい時にも便利だ

 カメラは広角6400万画素、超広角1300万画素、マクロ500万画素、インカメラ2400万画素だ。夜景モードやAI、ポートレート撮影にも対応している。画質も派手に撮れるわけではないが、価格に応じた良好なものだと感じた。もしROG Phone 3を普段使いのスマホにしたとしても、カメラ画質で不満を感じることはあまりないだろう。

ROG Phone 3 広角6400万画素、超広角1300万画素、マクロ500万画素カメラを搭載
ROG Phone 3 ポートレート撮影や夜景モード、マニュアル撮影も利用できる
ROG Phone 3 薄暗い日だったのでやや見栄えはしないが、風景を忠実に再現し解像感も高い
ROG Phone 3 超広角で撮影。広く撮影できるが、広角と比べると解像感は低い
ROG Phone 3 夜景モードも搭載。広角レンズだと、肉眼ではほぼ暗闇の中にある左手前の船も明るく撮影できた
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