ドコモ井伊社長インタビュー(前編):「ahamo」が他社への流出抑止に、ドコモショップは当面維持する(3/3 ページ)

» 2021年01月15日 19時21分 公開
[石野純也ITmedia]
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d払いとPayPayは利用量が圧倒的に違う

―― 減収を補う方法として、どういったことをやっていくのでしょうか。

井伊氏 営業コストやネットワークコストは、私から見ると削減できるところがあります。ただ、増収というお話では、イージーなやり方ですが、非通信の金融事業であるdカードやd払い収入につながりますし、この時代背景もあって伸びています。コンテンツはバラ売りできればいいのですが、dシリーズの中には「まだ続けるの……?」というものもあり、これはすぐに収益になりません。通信は、ARPUが300円なり350円なり上がってくれば、結構な額になります。ARPUをどう上げていくのかは地道にやっていきますが、その前にコストですね。

―― 金融事業のお話が出ましたが、三菱UFJ銀行と提携するという報道が出ていました。こちらはどう強化していくのでしょうか。

井伊氏 金融は出遅れています。PayPayを見るとフルラインアップでやっていて、決済だけでなく、保険や資金移動業などまでありますが、僕らにはノウハウがありません。誰かと組むか、一緒に会社を作るか、スカウトして人を雇うか、そのハイブリッドぐらいしか選択肢はありませんが、一番いいのは価値観が合って、彼らの強みと僕らの強みを一緒にできるパートナーがいることだと思います。

―― 決済は、還元に対する関心がまだ根強いと思います。こちらはいかがでしょうか。

井伊氏 ポイントは、頑張ってやらないといけないと思っています。d払いとPayPayを比べると、店舗数や顧客数は並ぶところまできましたが、利用量が圧倒的に違う。いくら店舗を開拓しても、これで払おうと思われなければ駄目です。だから、特定の店舗向けのプロモーションをかけながら、ここだったらこれを使おうと思えるものをやっています。自分にとっての決済のメイン手段にしてもらえないと駄目ですからね。そのためには、還元であり、ポイントなんです。これをどんどんやっているだけだと黒字化できないので、購買データの共有をして、最終的にはマーケティングになります。ただ、今はdポイントやd払いを使うのがお得と訴求しないと、それで払ってもらえません。一番使ってもらえるペイメントなりカードなりになれるかどうかですね。

取材を終えて:ショップ改革やサービス強化が必要に

 20GBで2980円というahamoのインパクトは大きく、その効果は既に出ているようだ。ドコモショップに来たユーザーには、ギガライトなりギガホなりを勧めることで、ARPUを引き上げることもできる。若手主導で設計した点も、ニーズをくみ取れた要因といえそうだ。ただその分、収益に与える影響も大きい。井伊氏が話していた通り、ショップの改革や上位レイヤーのサービス強化はこれまで以上に加速していく必要がありそうだ。後編では、5Gや積み残しになっている少量プランなどの話を伺っていく。

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