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» 2021年02月06日 08時00分 公開

ドコモ、KDDI、ソフトバンクの決算を振り返る 非通信分野が収益回復のカギに石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

ドコモ、KDDI、ソフトバンクの2020年度第3四半期決算が出そろった。コロナ禍で企業のデジタルシフトが進んだこともあり、非通信領域が各社とも好調だ。金融・決済関連のサービスも、順調に拡大している。ただし非通信分野の攻め方は3社3様だ。

[石野純也,ITmedia]

 ドコモ、KDDI、ソフトバンクの2020年度第3四半期決算が出そろった。各社とも、料金値下げは発表しているものの、サービスがスタートするのは2月から4月にかけてとなり、現時点ではその影響は出ていない。モバイルの通信料収入は、ドコモが減収したものの、KDDIやソフトバンクは前年同期比でわずかに伸びている。

 それ以上に大きいのが、通信の上で展開する非通信領域。コロナ禍で企業のデジタルシフトが進んだこともあり、法人分野は各社とも好調だ。各社が注力する、金融・決済関連のサービスも、順調に拡大している。そんな通信大手3社の決算をまとめて振り返っていきたい。

KDDI、ソフトバンクは増収増益、ドコモは新料金プラン導入が尾を引く

 NTTは、12月にドコモを完全子会社化したのに伴い、今期からNTTとドコモの合同で決算を発表する方式に切り替えた。子会社のドコモ単体で見ると、売上高は3兆5131億円、営業利益は8128億円で減収増益を記録している。ドコモの代表取締役社長、井伊基之氏によると、「ギガホ、ギガライトの還元影響や販売方法の見直し、新型コロナによる端末販売収入や国際ローミング収入への影響はあったものの、ドコモ光やスマートライフ事業が着実な成果を上げている」という。

ドコモ 12月に新社長に就いたドコモの井伊氏が業績を説明。業績回復への意気込みを語った(写真提供:NTTドコモ)
ドコモ 売上高は29億円減少した一方で、営業利益は339億円増加している

 これに対し、KDDIは売上高、営業利益ともに前年同期より着実に伸びている。第3四半期までの売上高は3兆9238億円で、前年同期比0.5%の成長。営業利益も8710億円で、2019年度第3四半期から3.2%拡大している。KDDIの代表取締役社長、高橋誠氏が「成長領域が業績をけん引している」と語ったように、auやUQ mobileと傘下のMVNOを足した通信料収入は19億円の減益になっているのに対し、同社がライフデザイン領域と呼ぶ上位レイヤーのサービスや法人事業は400億円の増益と大きく成長していることが分かる。

KDDI 成長領域の好調ぶりをアピールするKDDIの高橋社長(写真提供:KDDI)
KDDI KDDIの第3四半期決算は増収増益。非通信分野が大きく伸びた

 ソフトバンクは、モバイル通信と非通信事業の両方が成長をけん引した。第3四半期までの売上高は3兆8070億円で5%の増収、営業利益は8416億円で6%の増益を果たしている。セグメント別に見ると、特に大きく伸びているのが、ヤフーや法人分野。モバイル通信料収入は減少こそしていないが、ほぼ横ばいであることが分かる。代表取締役 社長執行役員兼CEOの宮内謙氏は、「事業そのものの多様化が一気に進んでいる」と自信をのぞかせた。

ソフトバンク 多角化が進んでいることに自信をのぞかせたソフトバンクの宮内社長
ソフトバンク ソフトバンクも増収増益。ヤフーや法人分野が大きく伸びている

 3社の売上高や営業利益を横並びで比較すると、以下の通り。売上高と営業利益とも、KDDI、ソフトバンク、ドコモの順に並ぶ。通信料収入の比率が下がっている点は、3社とも共通。非通信分野や法人、IoTといったコンシューマー以外の分野に、収益源をシフトさせている様子がみて取れる。3社とも、オンライン専用の20GBプランや、データ容量が使い放題のプランを導入する他、KDDIやソフトバンクは低容量から中容量のユーザーをターゲットにしたUQ mobile、Y!mobileも値下げする。そのため、来期以降はこのトレンドに拍車が掛かりりそうだ。

ソフトバンク モバイル3社の売上高と営業利益
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