ドコモ、KDDI、ソフトバンクの決算を振り返る 非通信分野が収益回復のカギに石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2021年02月06日 08時00分 公開
[石野純也ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

収益回復のカギを握る非通信領域、金融・決済分野や法人分野が伸びる

 この状況では、通信料収入の減少をいかに非通信事業の領域で補えるかが、各社の業績を左右することになる。ドコモはスマートライフ領域、KDDIはライフデザイン領域、ソフトバンクは非通信など、それぞれ呼び方は異なるが、通信の上に乗るサービスを中心とした新規事業や、法人事業という点は共通している。ただし、この分野の攻め方は3社3様だ。

 ドコモは、非通信のスマートライフ領域の売上高が8080億円、営業利益は1778億円で増収増益。この伸びをけん引したのが、dカードやd払いなどの金融・決済分野だ。2つを合わせた取扱高は5兆800億円に急伸しており、dカードの契約数やd払いのユーザー数も順調に増加している。

ドコモ
ドコモ ドコモのスマートライフ事業は大きく伸びている。金融・決済分野の拡大が顕著だ

 ただし「金融・決済分野はまだまだ強化する余地が残っている」(井伊氏)というのがドコモの見方だ。例えば、d払いはPayPayなどの競合と比べ、「決済回数や決済金額で負けている」(同)。井伊氏が「d系サービスで負けているものは、撤退も含めて考えていく方針」と語っていたように、「dデリバリー」のサービスを終了させるなど、「d」ブランドを冠するサービスの整理も進んでいる。ただし、この分野をどう立て直すのかの具体策は見えていない。法人事業の強化は、NTTコミュニケーションズの子会社化を待つ必要がある。

 KDDIも、ライフデザイン領域で伸びているのは、金融・決済の分野だ。金融・決済取扱高は6.5兆円と大きく、au PAYカードの会員数も610万に成長した。また、au PAYを利用できる場所は355万を突破している。ライフデザイン領域の売上高は9400億円だ。法人領域のビジネスセグメントも好調だ。売上高は7220億円に伸びており、中でもIoT用の回線数は20年12月に1600万回線を超えるなど、大きく成長している。

ソフトバンク
ソフトバンク
ソフトバンク KDDIも、非通信分野のライフデザイン領域や法人分野のビジネス領域が伸びている

 ソフトバンクは、ヤフーと法人分野の伸びが業績を押し上げている。売上比率は、モバイル通信料以外の分野が72%と大きく、Zホールディングスの子会社化によって、事業構造が大きく変化していることが分かる。法人分野は、クラウド、IoT、セキュリティの各分野が伸びた。一方で、PayPayなどの新規領域は、まだ収益に結びついていない。「大事なのは、恐れずに顧客を伸ばせるかどうか」(宮内氏)で、まだ種まきをしている段階だ。経営統合するZホールディングスとLINEをどのようにかじ取りしていくのかも、今後の課題といえそうだ。

ソフトバンク ヤフーや法人が売上高、営業利益をけん引した
ソフトバンク Zホールディングスの統合によって、売上高の構成が大きく変化している
前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年02月25日 更新
  1. ソフトバンク史上初の「10万件純減」――KDDIと共に「数より質」の経営にシフト (2026年02月22日)
  2. Apple初の「折りたたみiPhone」は2026年9月に登場か 約30万円でTouch ID復活とのうわさも (2026年02月24日)
  3. 5.3型の小型スマホ「Mode 1 Pocket」を試す 唯一無二のサイズ感、サブ機での運用が最適か (2026年02月23日)
  4. 米Orbic、日本市場から事実上の撤退か オービックとの商標訴訟に敗訴、日本法人から情報発信なし【更新】 (2026年02月22日)
  5. 「Nothing Phone (4a)」の背面画像を公開 早くも「かっこいい」「好き」の声SNSに (2026年02月24日)
  6. Google新保証「Pixel Care+」開始 画面修理やバッテリー交換を無料に 「偶発的な損傷も回数無制限で補償」 (2026年02月24日)
  7. auから高耐久スマホ「TORQUE G07」登場 耐泥水に対応、衛星通信専用アンテナを搭載 実機を速攻チェック (2026年02月25日)
  8. ガストで人を介さず「テーブル決済」、食い逃げ対策はあるのか? すかいらーくに聞いた安心の仕組み (2026年02月21日)
  9. ガストの「テーブル決済」をPayPayで試してみた 便利だけど思わぬワナも (2024年04月14日)
  10. “一生モノ”の有線イヤフォンを探しているなら検討したい「ゼンハイザー IE 600」が約11万→6.9万円に (2026年02月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年