世界を変える5G

「Xperia PRO」は約25万円の価値あり! 5Gミリ波通信からHDMIライブ配信まで徹底検証(3/4 ページ)

» 2021年03月03日 11時30分 公開
[島徹ITmedia]

HDMI入力対応、高性能な小型外部ディスプレイとして使う

 Xperia PROはソニーモバイルが世界初をうたう、microHDMI(D端子)入力端子を搭載したスマートフォンだ。Xperia PROのディスプレイをHDMI接続の外部ディスプレイとして利用できる他、後述するライブ配信にも活用できる。外部モニター機能について触れる前に、microHDMI端子とディスプレイの仕様について紹介しておこう。

Xperia PRO microHDMI(Type-D)入力とUSB Type-Cは同時に利用可能。防水カバーは取り外しできない

 ディスプレイは6.5型の比率21:9で、解像度1644×3840ピクセル表示に対応。映像制作に使われるソニー製マスターモニターに沿った表示の「クリエイターモード」を搭載し、色温度D65で色域BT.2020、HDR、10bit表示が可能だ。輝度は簡易輝度系による計測だが最大630カンデラだった。ベースとなったXperia 1 IIにも同じクリエイターモードが搭載されているが、Xperia PROは1台ずつ色の調整をかけた上で出荷される。

Xperia PRO 画面設定を「クリエイターモード」に切り替えると、元データに忠実な表示になる

 microHDMI(D端子)の入力仕様は、4K(3840×2160)、60p/30p/24p※、YCbCr 4:2:2 8bit/10bitまたはRGB 8bitに対応(※24pはソフトウェアアップデートにて対応)。色域はBT.2020/BT.709対応で、HDR(HDR10/HLG)入力にも対応する。ハードウェアとしては音声入力にも対応。HDCPには対応していない。

 仕様上は、業務用シネマカメラやα1、α7S IIIなどを含め、ほとんどの4Kムービー収録機器のHDMI映像に対応できる。手持ちのムービーカメラやデジタルカメラやPCを4K 60pも含め問題なく表示できた。PlayStation 4もHDCP設定を外せば表示できる。ただし、PlayStation 5だけはHDCP設定や各種設定を変えても一瞬しか表示されなかった。想定外の用途だろうが、同じソニーブランドの製品だけに気になるところだ。

Xperia PRO 「外部モニター」アプリを起動。接続した機器の映像を表示できる

 続いて、外部モニター機能について触れていこう。ホーム画面から「外部モニター」アプリを起動し、HDMI端子につないだ機器の映像を表示できる。音声のモニタリングや再生には対応していない。Androidアプリとして動作しているので、バックグラウンドでテザリングや写真の送信など各種アプリを動かせる。画面の表示設定はタッチ操作で変更でき、グリッドラインやフレームラインの表示の他、上下回転、拡大表示、表示する色域や解像度などを変えられる。

Xperia PRO タッチ操作で拡大表示も可能

 実際利用した印象だが、撮影中のカメラ出力を編集用の高色域モニターと同様の表示で常時確認できるのはかなり便利だ。カメラ内蔵モニターと比べ、明らかに明るく鮮やかで高繊細。デジカメ内蔵モニターの微妙な表示に惑わされず、効率的に撮影を進めやすくなる。6.5型かつスリムサイズで、ここまでの高解像度と色再現性、幅広い入力に対応した製品は他にまず存在しない。

 だが気になる点もあり、本体の価格や利用用途を考えるとHDMIの音声再生とレベルメーターは欲しかった。可能なら、LUT(輝度階調のデータを任意の階調に補正するデータ構造)対応や輝度レベル表示も追加してほしいところだ。なお、画面輝度は専用のフィールドモニターほど明るくないので、日中屋外では工夫して遮光フードを装着した状態で使いたい。

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