モバイルガジェット好きな人は「Xperia PRO」に、カメラ好きの人は「α1」にまず注目したと思うのだけど、今回ばかりは片方だけを見ているわけにはいかなさそうだ。
ソニーモバイルが目指したのは、Xperia PROとα1を組み合わせることで、映像や写真のプロに新世代のワークフローを提供すること。
そんな話をソニーで聞いてきたのである。
Xperia PROがベースとなった「Xperia 1 II」からどう進化し、具体的にどう違うのかは既報の通りなので省略。
今回のテーマはXperia PROは何を目指して開発されたのか、そのためにどんな機能が追加されたのか、だ。
大きく分けて2つある。1つはXperia PROをカメラの外部ディスプレイとして使う機能。もう1つは撮影した写真や映像を素早く届けるための通信機能。
その2つをプロの現場で使えるクオリティーに仕上げるためにXperia 1 IIを強化したのが、Xperia PROだと思っていい。
Xperia PROの最初の特徴は世界初の「HDMI入力対応」。本体底面にタイプDのHDMI端子を持っており、カメラと直接つないで外部ディスプレイとして使うことができる。
今回はα1や「α7SIII」とつないで試してみたが、他社のカメラでもHDMI出力を持っていれば(そして大抵のカメラは持っている)外部ディスプレイとして使えるはずだ。
この機能は最大4Kに対応したHDRディスプレイとして使える。21:9だし色域はBT.2020に対応するしで、αで映像を撮るときはより正確な色や明るさを保つためにも欠かせない。
気になるのはディスプレイとしてのクオリティーだが、出荷時に一台一台ソニーのマスターディスプレイと同じD65基準でキャリブレーションして出荷されるのだという。さらに、それを基準に色温度を変えたり微調整したりすることも可能だ。
α1の背面ディスプレイはチルト式でサイズも大きくはないが、HDMIでXperia PROをつなげば6.5型のHDR対応のディスプレイでプレビューしながら撮影できる。
ただ、ディスプレイとして使うのみならず、その場でピンチアウトして部分的に拡大することもできるので、ディテールのチェックも可能だ。
外部ディスプレイをリグに装着すれば自由なアングルで撮影できるし、撮影中や撮影後の映像や写真をチェックするときもいい。本格的な撮影ともなると外部ディスプレイは欠かせないもの。それをスマートフォンで行える。
細かいことだけど、光沢感のあるボディーだったXperia 1 IIに対して、樹脂製でマットな仕上げのXperia PROというのもよい。撮影現場で光を反射するような素材は避けたいからだ。
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