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» 2020年07月04日 06時00分 公開

石野純也のMobile Eye:「Xperia 1 II」を2週間使って感じた“反転攻勢”の仕上がり ただし内蔵アプリに不満も (1/3)

初の5G対応Xperiaとして発売される「Xperia 1 II」が、ドコモとauから出そろった。通信方式だけでなく、カメラも大きく進化。デザインもXperia 1より洗練され、“Xperiaの反転攻勢”を支える1台に仕上がっている。2週間ほどメインの端末として使い込んで分かったことをまとめたい。

[石野純也,ITmedia]

 初の5G対応Xperiaとして発売される「Xperia 1 II」が、ドコモとauから出そろった。「Xperia 1」の純粋な後継で、型番にも「II(マークツー)」が入った同機だが、通信方式だけでなく、カメラも大きく進化。デザインもXperia 1より洗練され、“Xperiaの反転攻勢”を支える1台に仕上がっている。2月にグローバルで発表された際にも大きな話題を呼んだ。筆者もドコモ版の発売に合わせて、この端末を入手。2週間ほどメインの端末として使い込んできた。実機から見えてきた、ソニーモバイルの狙いを解説していきたい。

Xperia 1 II ドコモとauから発売された「Xperia 1 II」。写真はドコモ版のパープル

品質の高いディスプレイ、ノッチなしのこだわりも評価

 Xperia 1 IIは、Xperia 1で導入した21:9の4Kディスプレイを継承している。1画面に収める情報量の多さと、持ちやすさを両立できるのが、このアスペクト比のメリットだ。筆者がXperia 1 IIの前にサムスン電子の「Galaxy Note10+」を使用していたこともあって、手へのなじみがよくなったと感じた。4Kの解像感はこのサイズだと分かりづらいが、標準設定のままでも色のバランスはよく、有機EL特有の不自然な派手さもない。チューニングが行き届いている印象だ。

Xperia 1 II 情報量の多さと持ちやすさが両立した21:9のディスプレイ

 ソニーモバイルは、Xperia 1のころからソニーの厚木テクノロジーセンターとの連携を強化しており、業務用ディスプレイのノウハウが注入されている。Xperia 1 IIにも、その成果が生かされているといえる。なお、ディスプレイの画質は、標準設定だとオリジナルの色域を拡張した「スタンダードモード」に設定されているが、手動で「BT.2020」の色域に準拠した「クリエイターモード」に変更することもできる。

Xperia 1 II 画質設定はスタンダードモードとクリエイターモードから選択可能

 色域を拡張していることもあり、スタンダードモードの方が全体的にパキっとコントラストが強くなり、アプリ内の文字や写真などが見やすい。一方で、映像制作者の意図を反映した画質で見たいときは、クリエイターモードがおすすめだ。標準設定では、特定アプリで自動的にクリエイターモードになる「自動クリエイターモード」がオンになっているので、基本的にはそのまま使うといいだろう。筆者のユースケースの場合、Netflixで映像を見たときに、クリエイターモードが自動でオンになった。

Xperia 1 II Netflixで動画を再生すると、自動でクリエイターモードに切り替わる

 Xperia 1 IIからの機能として、ディスプレイのリフレッシュレートを90Hz相当に上げる「残像低減設定」も用意されている。ただし、90Hz“相当”というのは、一律でリフレッシュレートを上げていないためだ。映像が切り替わるタイミングで高電圧をかけ、処理を高速化している。オンにすると、確かにスクロールが滑らかになった気がするが、オフのときと明確な差があるかというと少々微妙なところ。動画やゲームなどで映像にこだわる人にいいかもしれないが、ブラウジングや実用的なアプリを使った場合の効果は限定的だ。

 最近のスマートフォンの多くは、画面占有率を上げるため、「ノッチ」や「パンチホール」が設けられている。ベゼルに載せられなくなったインカメラなどのパーツを、ディスプレイ内部に入れるためだ。これに対し、Xperia 1 IIはあえてベゼルを残し、ディスプレイは角が丸い長方形になっている。映像を全画面に広げて見る場合、ノッチはどうしてもその妨げになる。無理に画面占有率を上げず、映像視聴を重視した方向性は、結果として差別化にもなっており、評価しておきたいポイントだ。

Xperia 1 II ディスプレイにノッチがなく、画面いっぱいに映像を広げても、一部が遮られないのがうれしい

スマートフォンのカメラとは一線を画した、デジタルカメラ風のUI

 最も大きく進化、変化したのが、カメラ機能だ。ここが他のスマートフォンとの大きな差分で、Xperia 1 IIはUI(ユーザーインタフェース)の設計思想や想定するユースケースなどが根本的に異なる。スマートフォンのカメラは、シャッターを押すだけで簡単に撮れ、しかも補正まで自動で行ってくれるのが昨今のトレンドだが、Xperia 1 IIはどちらかと言うと、デジタルカメラの発想に近い印象を受ける。同機が、ソニーのカメラのエントリーモデルに位置付けられていることからも、その傾向が見て取れる。

Xperia 1 II トリプルカメラを搭載。24mmの標準カメラは、センサーサイズが1/1.7型に大型化した

 ドコモ版の発売と同時に実施されたアップデートで対応した「Photography Pro」のUIから、そのことがよく分かるはずだ。まず、このアプリは一般的なスマートフォンのカメラアプリと異なり、側面に搭載されたシャッターキーで撮影することが前提になっている。画面上にシャッターボタンが現れないというわけだ。スマートフォンはデジタルカメラと比べ、物理的なキーやダイヤルが少ないため、シャッターキー以外の操作は、タッチパネルに最適化した形に落とし込まれている。

Xperia 1 II Photography Proは、一般的なスマートフォンのカメラアプリと大きくUIが異なる
Xperia 1 II 撮影はシャッターキーを使用。半押しでフォーカスロック、そのまま押し込むと撮影になり、デジタルカメラ風の操作性だ

 Photography Proでは、「オート」「プログラム」「シャッター速度優先」「マニュアル」の4モードを切り替えることができ、露出やシャッター速度、ISO感度などもそれぞれ設定可能。デジタルカメラのダイヤルを回すのに相当する操作をするときは、端末のバイブがわずかに振動し、物理的なフィードバックが返ってくる。搭載されるカメラはトリプルカメラで、16mm、24mm、70mmの3つだが、これもどの一眼レフのように、どのレンズを使うかをユーザー側が明確に選択する必要がある。画素数を1220万画素にそろえているのも、レンズ交換を模したためだ。

Xperia 1 II モード切り替えなどを行うと、ダイヤルを回しているような弱いフィードバックが返ってくる

 もちろん、通常のカメラアプリもそのまま搭載されており、スマートフォン風の撮影がいいというのであればそちらを選択してもいいが、Xperia 1 IIの売りの1つである秒間20枚の高速連写や、秒間60回のAF/AE演算は、Photography Proの専売特許。搭載されたカメラの実力を引き出すためにも、必須のアプリになっている。スマートフォンに搭載されたカメラというより、デジタルカメラの一部をスマートフォンに最適化する形で取り込んだのがXperia 1 IIで、設計思想が異なると述べたのは、このような理由からだ。

【訂正:2020年7月6日11時45分 初出時に「秒間30回のAF/AE演算」としていましたが、正しくは「秒間60回のAF/AE演算」です。おわびして訂正致します。】

Xperia 1 II 通常のカメラアプリも搭載されている
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