今から約2年前の2022年10月に「Androidスマートフォンの“寿命”がiPhoneよりも短い理由」というコラムを執筆した。当時を振り返りつつ現状を見てみると、この認識は古いものになりつつあるようだ。
今回はこの題に対して、最新の状態にアップデートした内容で「AndroidスマートフォンはiPhoneに対して寿命が短いのか」について考えてみよう。
まずは直近に発売されたスマートフォンのソフトウェアアップデート期間についてまとめてみよう。2年前とは異なり、Androidスマートフォンではソフトアップデート提供期間を公表するようになったことが大きな変化だ。アップデート提供期間は日本でも知られるメーカーを中心に以下の通りだ。
ソフトウェアのアップデート期間が長いことで知られるApple iPhoneは、アップデート提供を行う期間を非公開としている。直近の例になるが、2018年発売のiPhone XSは最新のiOS 18へのアップデートが行える。これはOSアップデートが6回行われ、最新OSの状態を7年間利用できることになる。
また、AppleではOSアップデートが終了したiPhone 8などの古い機種にも、セキュリティアップデートを度々提供している。アップデート提供期間の長さなら他社の追従を許さない。
一方、ここ数年でAndroidスマートフォンにも変化が見られた。サムスンとGoogleは一部機種に対し、7年間のOSアップデート、セキュリティアップデートを行うと公表した。Googleは2023年発売のPixel 8から、サムスンはGalaxy S24シリーズ以降のハイエンド機種が対象だ。今後は Aシリーズなどのミッドレンジ端末もアップデートの長期化が考えられる。
長期のサポートで有名なHuaweiもソフトウェアアップデートの提供期間は非公表としている。端末によっては6年以上のアップデートを提供している。Huaweiの場合、Android OSのアップデートではなく、HarmonyOSのアップデートという形に変化しているため、通常のAndroidスマートフォンと同じ指標で評価できない点は留意したい。
また、中国向けに今後発売する端末は完全な独自OS「HarmonyOS NEXT」に移行する。既存機種にもアップデートが予定されており、HuaweiのスマホはAndroidのカテゴリーから離れる見込み。これによりAppleのようなソフトウェアの一括管理ができるため、より長期のアップデートを提供できる可能性がある。
それ以外のメーカーも平均して4〜5年のソフトウェアアップデートを提供すると表明している。特にグローバル展開をするXiaomi、OPPO、HONORはセキュリティアップデートを含め、5年間のソフトウェアアップデートを提供すると公表している。
前項のサムスンやGoogleと異なり、OSアップデートの回数とセキュリティアップデートの提供年月が異なるため、OSアップデートは回数、セキュリティアップデートは年数という形で表記される。
日本市場で強いメーカーでは、シャープが2023年発売の「AQUOS R8」から3回のOSアップデートと最大5年間のセキュリティアップデートを行うと公表している。ソニーやFCNTも上位機種にて、3回のOSアップデートと4年間のセキュリティアップデートを行うと公表するなど、日本メーカーも「アップデート期間を公表する」流れが恒常化している。
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