ドコモが“ahamoの有償サポート”を提供する背景 浮き彫りになる携帯ショップの課題石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2021年05月01日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

徐々に役割を変化させているドコモショップ、ahamoでその動きが加速するか

 ドコモはahamoの店頭相談会などを実施していたが、その他のプランへの翻意を狙った“ahamoフック”だとして、批判も集めていた。一方で、料金をもらってサポートできれば、代理店にとってもahamoは商材の1つとして販売できる上に、ユーザーの利用実態にそぐわなければ、上位プランをお勧めすることもできる。心理的にも、ビジネス的にも、ユーザーに抵抗感なくahamoを勧めやすくなったといえる。

 ドコモ自身も、ahamo導入前からドコモショップの位置付けを販売拠点からサポート拠点へと、徐々に転換してきた。例えば、以前本連載で取り上げたことがあるアプリのサポートは、その一例だ。2020年12月1日から全国のドコモショップで提供されている「アプリ設定サポート」は、1アプリあたり1650円でインストールや初期設定、アカウントの引き継ぎをショップスタッフが手助けするサービス。サポートの有料化という観点では、ahamoの店頭サポートに位置付けは近い。

ahamo ahamo発表の直前に導入されたアプリ設定サポート。1アプリ1650円でインストールや設定をショップスタッフが手助けする

 ドコモショップで実施している「メルカリ教室」も、サポート強化の一環と捉えることができる。ドコモとメルカリは連携を強化しており、2月5日にはドコモショップに「メルカリポスト」の設置を開始。メルカリで販売した商品を発送できる拠点としての体制を整えつつある。メルカリポストの設置は、2021年12月末までに1000店舗に拡大する予定。これと合わせて、メルカリ独自の梱包資材の販売も始めた。

ahamo ドコモは、メルカリとタッグを組み、メルカリ教室を実施。アプリの操作方法だけでなく、購入方法や出品方法までサポートするのが特徴だ。写真は2019年10月に撮影

 ドコモの井伊基之社長は、2021年1月に実施されたグループインタビューで「ショップに依存した販売形態は見直さなければいけないのは元からの経営課題」と語っていた。ahamoの提供で影響を受ける代理店については、「オンサイトでしか提供できないものを与える場所にしなければならない」と述べ、有償でのサービスを拡大していく意向を示していた。ahamoの申し込みサポートも、こうしたショップの役割の変化を反映させたものといえそうだ。

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