現在iPhone SEを販売しているのは、携帯電話会社だとドコモ、au、ソフトバンクに加えて、Y!mobileやUQ mobileだ。この他、いくつかのMVNO事業者からも販売されている。また、SIMロックフリー版はAppleストアや一部量販店でも購入できる。
本体価格はApple Storeだと64GBモデルが4万9280円、128GBモデルが5万4780円、256GBモデルが6万6880円だ。携帯電話会社で機種変更する場合もおおむね近い価格で購入することになる。もしこれらの金額よりもお得に購入したいなら、新規契約やMNPでの携帯電話会社の乗り換えを検討しよう。本体価格から1万円や2万円程度の割引を期待できる。
ahamoへMNPでの乗り換えを考えている場合は、他社からドコモの「ギガライト」へ乗り換えてiPhone SEを購入し、その後にahamoへプラン変更すればいい。auのpovoへの乗り換えも同様で、auへ乗り換えてiPhone SEを購入した後でpovoにプラン変更する。
Y!mobileやUQ mobileへの乗り換えなら、新規やMNPでiPhone SEを購入するだけでいい。乗り換え後にプラン変更といった面倒な手続きは不要だ。
iPhone SEの全体的な機能を紹介していこう。4.7型(750×1334ピクセル)液晶と1200万画素カメラを搭載。今どきのスマホとしてはディスプレイがやや小さいが、スピーカーはステレオで音質や音量も良好だ。防水・防塵(IP68)、指紋認証センサー、Suicaなど非接触IC決済を使えるApple Payに対応。ワイヤレス充電も利用できる。
イヤフォン端子は非搭載で、AirPodsなどBluetoothワイヤレスイヤフォンの利用を想定している。有線イヤフォンの利用には別売りの「Lightning - 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ」が必要だ。
注目は処理性能で、「A13 Bionic」というiPhone 11と同クラスのチップを搭載。Antutuベンチマークのスコアもハイエンド並み。ゲームアプリの設定を高画質設定に変更してもおおむね快適に動作する。
欠点はバッテリーの持ちだ。バッテリー容量は非公開だだが、動画再生時間のスペックを見ても最新のiPhone 12が17時間に対し、iPhone SEは13時間と3分の2程度しかない。実際の使用感でも、アプリやカメラをヘビーに使うと1日10時間程度の持ち歩きでバッテリー切れ寸前になる場合がある。スマホを積極的に使う人だと、モバイルバッテリーの持ち歩きはほぼ必須だ。
カメラ画質はiPhone 12やiPhone 11と比べるとレンズの種類や夜景撮影などの性能は劣るが、それでもHDRが効果的な明暗差の大きいシーンや、暗い場所の撮影には十分な性能を持つ。iPhone 8よりワンランク上といっていい。よほどカメラ画質にこだわる人でなければ満足できるだろう。
SIMスロットはnanoSIMに加えて、eSIMにも対応。スマホやeSIMの利用に慣れている人はeSIMの契約を試してみてもいいだろう。
iPhone SEは低価格でiPhoneが欲しい人だけでなく、低価格で高い処理性能のスマホが欲しい人にもお勧めしやすいモデルだ。また、外出時のマスク装着が当面は続く中、一時的に顔認証の最新iPhoneではなく、マスク装着時に指紋認証で楽に使えるiPhoneを選びたい人にも注目のモデルとなっている。バッテリー持ちが今どきのスマホとしてはやや短い点さえ納得できれば、非常にコスパの高いスマホといえる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.