OPPOの端末戦略 フラグシップはキャリア市場、ミッドレンジは性能で勝負する

» 2021年05月27日 19時00分 公開
[田中聡ITmedia]

 オウガ・ジャパンが5月25日、2021年夏商戦向けのスマートフォンを発表した。

 ラインアップは、フラグシップの「OPPO Find X3 Pro」、ミッドレンジの「OPPO Reno5 A」「OPPO A54 5G」の3モデル。いずれもキャリアやサブブランドが発表済みだが、25日には改めてSIMロックフリーで投入することを発表した。

OPPO フラグシップの「OPPO Find X3 Pro」
OPPO ミッドレンジの「OPPO Reno5 A」

10億色で記録できるカメラを搭載、望遠カメラは抑えめ

 Find X3 Proは、広角と超広角のカメラにソニーの1/1.56型イメージセンサー「IMX766 50MP」を搭載している。さらにOPPOが「世界初」をうたう、10bitフルパスカラーに対応している。これは、撮影から保存、表示まで一貫して10億色をサポートしていることを示す。例えば夕日のグラデーションを表現する際、8bit(1670万色)だと色の階層が不自然に出てしまうところ、10bitなら滑らかな表現が可能になる。このカメラでは「目で見たものを切り取る」(営業推進部 プロダクトマネージャーの中川裕也氏)ことに重きを置いたそうだ。

OPPO 4眼カメラを搭載しており、うち広角と超広角のカメラは10億色での記録が可能
OPPO 撮影から画像処理まで10億色をキープする
OPPO 夕焼けの階調も滑らかに表示できる

 一方、これまでOPPOのフラグシップスマートフォンで売りにしてきた高倍率の望遠カメラは、今回は光学2倍にとどまっている。「Reno 10x Zoom」や「Find X2 Pro」は、ペリスコープカメラを搭載することで、光学5倍(ハイブリッド10倍)ズームを実現した。なぜ今回は望遠カメラのスペックを抑えたのか。

 中川氏は「われわれの調査で、ズーム機能はあまり使われていないことが分かった。10倍ズームは技術力のアピールで搭載していたが、端末が分厚くなったり重たくなったりするデメリットがあった」と話す。確かに、Reno 10x ZoomとFind X2 Proの厚さは9mm以上(Find X2 Proのブラックは8.8mm)、重さは200g以上だが、Find X3 Proは厚さ8.26mm、重さ193gと薄く、軽くなっている。実機を手に取ったときも「意外と軽いな」と感じた。カメラレンズ回りに曲面処理を施したことで、レンズの出っ張りも気にならない。

OPPO 手にすると意外と軽く感じた
OPPO カメラが背面に溶け込んでおり、デザインも洗練された印象だ

なぜ顕微鏡カメラを搭載したのか

 もう1つ特徴的な撮影機能として、Find X3 Proは300万画素の顕微鏡カメラを搭載している。顕微鏡モードで撮影をすると、肉眼では見られない微細な部分を60倍に拡大して記録できる。例えばハンカチを顕微鏡モードで撮影すると、繊維の1つ1つが見られて面白い。

OPPO 300万画素の顕微鏡カメラを搭載。リングライトを利用することで明るく撮影できる
OPPO 撮影モードから「顕微鏡」を選ぶ
OPPO このように肉眼では見えない微細な部分を映して記録できる

 顕微鏡カメラは確かに面白いが、日常的に使う機能とはいいがたい。なぜ搭載したのか。OPPOはこれまでも、フラグシップモデルには、スライド式のインカメラや10倍ハイブリッドズームカメラなど、世界初をうたう技術を導入してきた。プロダクト部 部長の李毅氏によると、顕微鏡カメラも「今までできなかったことができるようになれば」との考えに基づいている。「顕微鏡のセンサーやリングライトを調達でき、量産できるタイミングになったので載せましょうと。これまでは10倍ズームでリードしてきたが、今回は微小の世界という逆の発想をした」(同氏)

Find X2 Proは“幻のモデル”だった?

 販路についても変化があった。前モデルのFind X2 Proはau独占販売となったが、Find X3 Proはauに加えてオープン市場でも販売する。この理由について専務取締役の河野謙三氏は、Find X2 Proが好調に売れたことを挙げる。「auの中でFind X2 Proは『幻のモデル』と呼ばれるほど売れていた。代表電話を取ると、Find X2 Proがどこで買えるのかという問い合わせが多かった。買った人からの評判もよかった。ぜひSIMフリーで出してほしいという声が多かったので、キャリアとの協議の上で対応した」と話す。

 このFind X3 Pro、IP68の防水には対応しているが、おサイフケータイ(FeliCa)には対応していない。同時期に出るReno5 Aはおサイフケータイに対応しているだけに惜しいが、河野氏は「Findシリーズはほぼ海外と変わらない形で日本に持ってきている一方で、日本に根ざした製品をフルスクラッチで作るのがRenoシリーズ」と話す。ただ、Find X3 Proについても「キャリアのプロセスに準じながら、要求仕様を満たすべくテストをする必要がある」(李氏)ため、海外での発表からすぐに発売することも難しいようだ(Find X3 Proは3月に海外で発表され、auからは6月下旬以降に発売予定)。

Renoはパフォーマンスが優れている

 日本ではミッドレンジ帯のスマートフォンが売れ筋であり、フラグシップモデルをヒットさせるハードルは高いが、「絶対的なユーザー数が多く、お客さまが品質を見る目、製品を見る目が厳しいキャリア市場で正当に勝負をしていきたい」と河野氏。もちろんSIMフリー市場を軽視するわけではなく、OPPOが海外で強い4万〜5万円台のミッドハイモデルで攻める意向も明かした。

 一方、ミッドレンジ帯でもモトローラが2万円台の製品を出したり、Xiaomiがミッドハイで3万円台の製品を出したりと、競争が激化している。OPPOは2020年7月から2021年3月にかけて、日本市場でSIMロックフリーAndroidスマートフォンのシェア1位を獲得しているが、決して安泰とはいえない。ミッドレンジ帯ではどのように戦っていくのか。

OPPO BCNのデータに基づいた自社調査によると、2020年7月から2021年3月まで、SIMロックフリーのAndroidスマートフォンで国内シェア1位をキープしている

 ミッドレンジ帯では、日本市場のニーズを反映させたRenoシリーズと、よりスペックと価格を抑えたAシリーズの2つで展開しており、価格(税込み)はReno 5Aが4万3800円、A54 5Gが3万1800円。その上で「Renoはパフォーマンスが優れている」と中川氏は言う。「Reno5 Aは、お客さんから性能とカメラ機能に強い要望があったので、パフォーマンスをアップさせた(Snapdragon 765G、4眼カメラを搭載)。同価格帯で優位性が高いものを発表できたと思う」と自信を見せる。

OPPO プロセッサはSnapdragon 765Gを搭載
OPPO ミッドレンジながら、Reno5 Aは広角、超広角、マクロ、モノクロの4眼カメラを搭載している

 A54 5Gは日本で初めてSnapdragon 480 5Gを搭載したスマートフォンとなる。OPPOはQualcommと友好な関係を築けており、「Snapdragon 480を優先して調達し、いち早くスマートフォンを商品化できた」と李氏は話す。ミッドレンジでもパフォーマンスに定評のあるQualcommのプロセッサを積極的に採用していくようだ。

日本のユーザーが使いやすい端末を届ける

 オウガ・ジャパンは日本独自の理念として、「OPPO」の頭文字を取って「Original」「People」「Performance」「Only」の4つを掲げる。各ワードに込めた意味は以下の通り。

  • Original……その市場に見合うオリジナルモデルを提供し続ける。他の国や地域で人気のある機種をそのまま販売するのではなく、日本のユーザーが使いやすいようゼロベースで開発する
  • People……ユーザーの本質的なニーズに注目。ユーザー調査やソーシャルメディアを活用し、ユーザーの声に耳を傾ける
  • Performance……ユーザーの期待を超える製品を届ける
  • Only……OPPOにしかできないオンリーの体験を提供する

 特に何度も聞かれたのが「お客さま(ユーザー)」という言葉。河野氏は、今後もユーザーに寄り添った製品を開発していくことを強調した。

OPPO 発表会には、CMに出演する指原莉乃さんが駆け付けた

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