「50xシリーズ」は、出る度に新しい機能、サービスに対応してどんどん高機能化していった。504iSシリーズはカメラ付きケータイになり、505iシリーズは液晶ディスプレイがQVGAに高精細化。カメラ機能を強化した機種は、ドコモで初めてメガピクセルカメラ(100万画素以上)が搭載された。「D505i」はカメラ部分が回転、また、50xシリーズに初めてシャープ製端末が登場した(SH505i)。505iSシリーズは全ての機種がメガピクセルカメラを搭載。そして初めてFeliCaに対応したおサイフケータイとして、「506iCシリーズ」も登場した。
mova端末は成熟するにつれて、デザインも単なる折りたたみだけでなく、ユニークなものが登場している。「N506i」「SH506iC」は伝統の折りたたみスタイルではなく、「2軸回転機構」でディスプレイをくるっと回転させてディスプレイを表に出せる「リバーススタイル」「ビュワーポジション」を採用。「SO506iC」はディスプレイが180度回転してテンキーが出現する。
2004年には重さわずが69g、カメラを搭載しない超小型でシンプルな「premini」が登場。同じコンセプトでFeliCaを搭載しない「premini-II(SO506i)」も翌年発売した。
50xシリーズは出るたびに機能がアップし、注目を集めた。その一方でドコモはW-CDMA方式の第3世代携帯電話サービス「FOMA」を2001年5月に開始。FOMA1号機として、テレビ電話ができるカメラ付きの「P2101V」、有機ELディスプレイを搭載した「N2001」、データ通信用カードの「P2401」を発売した。
FOMA端末は従来よりも通信速度が上がり、テレビ電話やPCとつないだ高速データ通信が可能に。PCと同様にインターネットニュースを見たり、ブログや掲示板に投稿したりできるようになったが、初期のFOMA端末は電池持ちが非常に悪く、エリアも狭かったため50xシリーズほど評価されなかった。
1台でmovaとFOMAのネットワークに対応した「N2701」なども登場したが、FOMAが本当に評価され、FOMA端末を誰もが使うようになったのは2004年登場の「900iシリーズ」からだ。
900iシリーズは「究極のiモードケータイ」とされ、容量がアップしたFlash動画や「ドラゴン・クエスト」や「ファイナルファンタジー」といったゲームのiアプリ版、HTML形式を採用した「デコメール」などに対応した。バッテリー持ちも良くなり、データ通信が定額制になったことなどもあり、幅広いユーザーに支持されていく。FeliCaにも「901iCシリーズ」で対応した。
90xはFOMAのハイエンドシリーズだが、価格を下げ、FOMA端末を購入しやすくしたのが「70xシリーズ」だ。ライフスタイルを重視する人向けというコンセプトで、著名なプロダクトデザイナーがデザインした「702i/702iDシリーズ」「702iSシリーズ」も2006年に登場した。ファッションブランドとのコラボモデル、極限まで薄さを追求した「N703iμ」「P703iμ」といった機種も登場し、ユーザーを驚かせ、楽しませた。
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