eKYCの利用経験は21.0%、懸念はデータの保管 MMDの調査より

» 2021年08月25日 13時48分 公開

 MMD研究所は、8月25日に「オンライン本人確認(eKYC)に関する利用動向調査」の結果を発表した。TRUSTDOCKと共同実施したもので、9月1日のデジタル庁発足を見据えたものとなる。対象は20歳〜69歳の男女1万人で、調査期間は7月21日〜7月26日。

 「本人確認の経験がある」と回答した人は80.6%で、経験のある本人確認手続きの手段(複数回答)は「対面での手続き」が78.0%、「非対面での手続き」が59.3%、「覚えていない」が5.2%。非対面での手続き経験者4780人が使ったことのある手段(複数回答)は「ネットで身分証明書の写真を送信」が最多で58.6%、次いで「郵送」が38.3%、「ネットで顔写真を撮影して送信」が35.1%となった。

MMD研究所 非対面での本人確認手続き時に利用したことのある手段

 対面での本人確認手続きの際に困ったこと(複数回答)は「必要書類を用意するのが面倒」が61.7%、「わざわざ窓口や店舗に移動することが面倒」が41.5%、「窓口や店舗で対応までの待ち時間がかかる」が38.0%となった。

MMD研究所 対面での本人確認手続きの際に困ったこと

 対象者にオンライン本人確認(eKYC)の認知や利用状況を聞いたとこ「利用したことがある」が21.0%、「利用しようと思ったことがある(利用したことはない)」が2.2%、「内容は知っているが、利用したことはない」が4.0%、「名称は知っているが、どんな内容なのか知らない」が5.3%、「全く知らない」が67.6%。年代別では「利用したことがある」は30代(1835人)が最も多く26.0%、次いで20代(1620人)が23.8%、40代(2375)が20.9%となった。

MMD研究所 eKYCの認知や利用状況

 eKYC未利用者が「利用したいと思う」理由(複数回答)は「手続きが時短になるから」が48.0%、次いで「手続きが簡単そうだから」が45.3%、「手続きの時間を選ばないから」が38.0%に。eKYCに懸念すること(複数回答)は「提供先の写真などのデータの保管や活用が不安/心配」が46.6%、「顔写真を送りたくない」が41.0%、「写真データを送ることなどめんどくさく感じる」が33.2%となった。

MMD研究所 eKYC未利用者のeKYCを利用したいと思う理由
MMD研究所 eKYC未利用者が持つeKYCに関する懸念や不便なイメージ

 9月1日に発足するデジタル庁の認知は66.0%で、行政手続きのオンライン化に関する要望(複数回答)は「個人情報やセキュリティの法律、ガイドラインが整備されること」が37.0%、次いで「悪質業者の公開や指導が強化されること」が32.8%、「時間帯に問わず行政手続きができること」が32.4%となった。

MMD研究所 行政手続きのオンライン化が進んだときの行政手続きに関する要望

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