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» 2021年10月29日 11時30分 公開

グーグル「Pixel 6シリーズ」はソフトバンクとKDDIが販売――NTTドコモしか使わない「n79」は諦めるしかないのか石川温のスマホ業界新聞

Googleが新型スマートフォン「Pixel 6シリーズ」を発売した。5Gに対応するものの、NTTドコモが利用している「Band n79」には対応していない。この周波数帯は、世界中で見ても事実上同社と中国の中国移動(China Mobile)しか利用していないことから、積極的な対応は“期待薄”な状況にある。

[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 10月19日(米国時間)、グーグルがPixel 6とPixel 6 Proを発表した。国内ではソフトバンクとKDDIが取り扱う。

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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2021年10月23日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 発表後、SNSでは「NTTドコモのn79に対応するのか」という疑問が噴出していた。発売時はソフトバンクとKDDIの5Gに対応し、後日、OTAで他社ネットワークに対応すると記載されている。「ハードウェア的にはアンテナもありそうだし、ソフトウェアアップデートでn79が使えるようになるのでは」という意見と「NTTドコモのユーザーがPixel 6とPixel 6 Proを購入し、n79を掴むというは限定的なので、対応はありえないのでは」という見方が広がっている。

 オープンマーケットがメインだとするとn79対応はあまり現実的ではないのではないか。製造コストだけでなく検証コストを考えると、n79対応は後回しされてもおかしくない。

 昨今、総務省の有識者会議では、スマートフォンメーカーに対して「ユーザーがキャリアを乗り換えしやすくなるよう、国内4キャリアが持つ、すべての周波数帯に対応すべき」という論調に持ってこようとしている。

 あるメーカー関係者はこの意見に対して「様子見するしかない」と冷静な構えだ。

 そもそも総務省が4キャリアに平等に同じバンドを与えていれば、こうした面倒な指摘にはならなかったのではないか。NTTドコモだけn79を与えることが間違っている。総務省の周波数割り当ての失敗の尻拭いをなぜ、スマートフォンメーカーがしなくてはいけないのか。

 キャリアで購入したスマートフォンで、他キャリアを使うという限られたニーズのために、なぜ、スマートフォンを購入するすべてのユーザーが部品や検証のコストを負担しなければならないのか。総務省は、これまで「不公平感」を盾にして、多額な端末割引を是正してきたはずだ。マルチキャリア対応するためのコストをすべての購入者が負担するというのは「不公平感」につながりはしないのか。

 総務省は、スマートフォンメーカーやキャリアに対して周波数のマルチキャリア対応なんて圧力をかけるべきではない。

 4キャリアを自由に乗り換えることを考えると、やはりすべてのキャリアで扱っているiPhoneを買っておけばいいのだ。

 n79に関して、かつてメーカー関係者は「チャイナモバイルと一緒のバンドなので、n79対応をやれないことはない」と語っていた。中国メーカーがn79対応をしてNTTドコモに納入するというのが理想であったが、いまのNTTドコモが中国メーカーのスマホを採用するとは考えにくい。

 中国方面からのn79対応は期待できず、結局、n79は「ガラバゴスバンド」としてNTTドコモだけが細々と使い、NTTドコモに納入しないメーカーは無視し続けるという状況になってしまいそうだ。

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