iOS 15で追加された「集中モード」は、従来の「おやすみモード」とはどう違うのか。一見差が分かりづらい機能なので、アップデートをしたばかりの人にとっては、混乱を招いているかもしれない。また、こうした機能の概要はなんとなく把握しつつも、まだ同機能を有効活用できていない人も多いことだろう。そこで、本稿では、改めて集中モードの使い方についてまとめていきたい。
なお、本稿での手順説明検証には、iOS 15.1を搭載したiPhone 11 ProおよびiPhone 13 Proを用いた。
iOS 15では、従来のおやすみモードという機能名が集中モードへと変わり、その内容も強化された。この集中モードの中では、「仕事」や「パーソナル」といった複数のタイミングで使えるモードが用意でき、それぞれで通知制限などのパターンをカスタマイズできる仕組みになっている。そのため「おやすみモード」自体もなくなったわけではなく、集中モードのなかで選べるパターンの1つとして残っている。
シンプルに言い換えるなら、以前のおやすみモードでは1つのパターンの通知制限のオン/オフ切り替えしかできなかったが、集中モードでは複数パターンの通知制限をカスタマイズし、場面によって切り替えられる――ということになる。
集中モードをうまく利用するには、「設定」アプリ内にある「集中モード」を選択し、各モードをカスタマイズしていく手順が欠かせない。標準では「おやすみモード」「パーソナル」「仕事」「睡眠」の4モードが表示されており、これらの詳細を調整することから始めるのがいいだろう。なお、同画面の右上にある「+」をタップすると、さらに「ゲーム」「フィットネス」「マインドフルネス」「読書」「運転」といった名称のモードを追加できる他、「カスタム」をタップすれば任意の名称のモードを追加できる。
ここでは例として「仕事」の設定をカスタマイズする。初回起動時には、以下のように、カスタマイズを進めていく画面が順に表示される。まず「次へ」をタップし、「通知を許可する連絡先」「通知を許可するApp」を順に指定しよう。最後に「完了」をタップしたら準備は完了だ。
2度目以降には、通常の設定画面が表示される。項目をタップすることで、通知を許可する連絡先やアプリの指定を再調整できる。
さらに、同画面で「ホーム画面」と「ロック画面」という設定をカスタマイズできるので、あわせて見ていこう。まず、「ホーム画面」を選択すると、「通知バッジを非表示」と「ページをカスタマイズ」という2つのスイッチが現れる。前者をオンにすると、その集中モード(この手順説明上では「仕事」)がオンのときに、ホーム画面のアプリに通知バッジが表示されなくなる。後者をオンにすると、表示されるホーム画面を限定できる。
例えば、LINEやSNSの通知アイコンをオフにし、仕事に関係ないゲームアプリや動画アプリなどはホーム画面ごと非表示にすることで、集中力を下げる要因を減らせるというわけだ。
次に「ロック画面」を選ぶと「ロック画面を暗くする」と「ロック画面に表示」というスイッチが表示される。前者をオンにすると、モードがオンの際にロック画面が暗くなり、後者をオンにするとモードがオンの際に知らされなかった通知がロック画面に表示される。
例えば、夜間の利用を想定したモードのカスタマイズでは、「ロック画面を暗くする」をオンにしておくことで、時刻を確認したいようなタイミングでも、画面の照明を極力抑えられる(なお、「睡眠」モードではデフォルトでオンになっているので、別のモードをカスタマイズする際に手動での操作が必要になる)。
ちなみに、各モードの設定画面にある「集中モード状況」という項目をタップすると、「集中モード状況を共有」というスイッチが表示される。これはオンにしておくと、メッセージアプリで連絡してきた相手に対して自分が集中モードを有効にしている状態であると伝わるようになるものだ。
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