快適に使えるということは、それに比例して通信量も増えやすいということです。そうなると気になるのが、WiMAX+5Gでも残った「直近3日間」の通信容量制限です。
WiMAX+5Gでは通信容量制限が「直近3日間で10GB」から「直近3日間で15GB」と5GB緩和されました。また、プラスエリアモードに別途設けられている「月間15GB(一定条件を満たす場合は30GB)」という制限に抵触した場合も、スタンダードモードに切り替えればプラスエリアモードにおける通信速度制限(上下最大128kbps)の影響は受けなくなります。
ただ、緩和されたとはいえ、普通の固定インターネットのノリで高画質なストリーミング動画を視聴しているとあっという間に通信容量制限に抵触してしまいます。とりわけ、家族の複数人で1つの回線を使う状況では制限にあっという間に達する可能性も否定できません。
通信容量制限に抵触した場合、その翌日の「ネットワーク混雑時間帯」に「上下最大1Mbps程度」に通信速度が制限されます。WiMAX 2+とは異なり具体的な対象時間は明示されていませんが、筆者が試した限りではWiMAX 2+と同様に制限抵触の翌日18時頃から翌々日2時頃までという運用となっているようです。
上下1Mbps程度という通信速度は、そこまで解像度の高くない動画をスマホやタブレットで見る程度であれば使えないこともありません。しかし、一定以上の通信速度を前提とする高解像度/高画質動画の視聴には耐えません。複数人で同時に使うとなればなおさらです。
もちろん、固定インターネット回線にも大量通信時の通信速度制限はありますが、ここまで極端な制限を受けたことは経験がありません。これでは「固定インターネット回線の代わりにWiMAX+5Gを」とは行きません。
他社のホームインターネットサービスを鑑みると、ドコモのhome 5Gでは通信容量に基づく一律の通信速度制限を設定していません。当日を含む直近3日間に大量の通信をすると他のユーザーよりも通信速度が遅くなることがあるとされてはいるものの、WiMAX+5G(あるいはauのモバイルルータープラン5G)ほど極端すぎる速度低下はありません。
ホームインターネットサービスではないですが、「月間容量無制限」における手頃感ではダントツである楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」では、自社エリア内で大量の通信(筆者の検証では1日10GBの通信)を行うと、当日中の通信速度が制限されます。制限時の最高通信速度は、筆者の検証では上下最大3Mbps程度と、WiMAX+5Gの3倍ほど高速です。
この手の通信容量(速度)制限は、ネットワーク全体の品質維持と他のユーザーとの公平性確保の側面から行われるものです。よって「制限がないことは素晴らしいこと」とは言いきれません。
とはいえ、固定インターネット回線の代わりに使うことを前提にするなら、制限をこのままにしておくことも競争上好ましくありません。今後、この制限がさらに緩和されることを期待したいと思います。
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