KDDIと沖縄セルラー電話は12月10日、京セラ製4G LTEケータイ「G'zOne TYPE-XX」を発売する。KDDIが直営する販売店(au Style新宿)における販売価格は5万2800円(税込み)だが、3G通信サービス「CDMA 1X WIN」の終息に伴う移行支援措置を利用できるユーザーは、2万2000円(G'zOneユーザーは5万2800円)の割引を適用できる。
【訂正:12時】初出時、タイトルを「7年ぶり」としていましたが、正しくは「9年ぶり」です。タイトルを訂正いたしました
G'zOneシリーズは、2000年に発売されたカシオ計算機製ケータイ「G'zOne C303CA」がそのルーツである。C303CAは当時としては珍しく「耐水(防水)性能」と「耐衝撃性能」を確保していた。
2001年までに4モデル登場したシリーズはいったん途切れるが、2005年にシリーズ初の折りたたみボディーとカメラを備える「G'zOne TYPE-R」で“復活”した後は、概ね1〜2年ごとに新モデルが登場することになる。
しかし「G'zOne TYPE-L CAL21」の発売後、カシオ計算機が携帯電話事業から事実上撤退したため(参考記事)、後継機種が登場することはなかった。
一方で、KDDIが行った自社調査によると、G'zOneシリーズを利用しているユーザーは、ケータイ(フィーチャーフォン)比率が今でも高い上、他メーカー/ブランドを利用しているユーザーと比べるとメーカー/ブランドに対するロイヤリティー(忠誠心)が高い傾向にあるという。端的にいえばケータイタイプのG'zOneがあるからauを使っているという人が少なくないようだ。
冒頭で少し触れた通り、KDDI(と沖縄セルラー電話)では、2022年3月をもってCDMA 1X WINを終息する。現役のG'zOneシリーズは、“全て”がサービス終了または一時休止の対象となってしまう。このままでは、メーカー/ブランド忠誠心が高いG'zOneケータイ愛用者が「行き場」を失うことになる。
そこで、G'zOneケータイ愛用者の「受け皿」作りと、ブランドの20周年記念事業を兼ねる形でG'zOneブランドのケータイの新規開発が決まったようだ。
ただ先述の通り、カシオ計算機は携帯電話事業から撤退している。KDDIはまず“メーカー”を検討する必要があった。この点については、G'zOneシリーズを事実上受け継ぐ形でタフネススマートフォン「TORQUE(トルク)」を開発していた京セラに開発と製造を依頼することで解決した。
一方で、この計画の究極の目標は「G'zOneの“復活”」であるため、カシオ計算機の協力も欠かせない。KDDIが同社に話を持ちかけた所、G'zOneシリーズに携わったカシオ計算機のデザイナーが端末やユーザーインタフェース(UI)のデザインを担当することになった。
カシオ計算機の協力を得られたこともあり、G'zOne TYPE-XXは「G'zOneらしさ」が随所にあふれるケータイに仕上がっている。一部を除くG'zOneシリーズのアイコンになっているマルチサークルディスプレイやスクリューバッテリーロックを“再現”しただけでなく、初代(C303CA)へのオマージュとして円形テンキーも搭載した。「カシペン(カシオのペンギン)」も、“どこか”に隠し要素として登場する。
タフネスさは時代に合わせて進化しており、米国防総省の最新調達規格「MIL-STD-810H」に定めのある19項目の耐環境試験に通過している。特に「塩水噴霧」への対応は、シリーズを通して初めてとなる。アウトドアで役立つ機能も複数備えている。
G'zOne TYPE-XXでは、純正の「au +1 collection」ブランドで以下のオプション品を用意する。参考に、KDDIが直営する販売店(au Style新宿)における販売価格も記載する。
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