auのタフネスケータイ「G'zOne TYPE-XX」は12月10日発売 なぜ9年ぶりに復活? 実機はどんな感じ?直営店価格は5万2800円

» 2021年12月06日 10時30分 公開
[井上翔ITmedia]
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 KDDIと沖縄セルラー電話は12月10日、京セラ製4G LTEケータイ「G'zOne TYPE-XX」を発売する。KDDIが直営する販売店(au Style新宿)における販売価格は5万2800円(税込み)だが、3G通信サービス「CDMA 1X WIN」の終息に伴う移行支援措置を利用できるユーザーは、2万2000円(G'zOneユーザーは5万2800円)の割引を適用できる。

【訂正:12時】初出時、タイトルを「7年ぶり」としていましたが、正しくは「9年ぶり」です。タイトルを訂正いたしました

閉じた実機
開いた実機 G'zOne TYPE-XX(左がリキッドグリーン、右がソリッドブラック)

ユーザーからの“声”を受けて復活

近藤氏 製品化の背景を説明するKDDI プロダクト企画部の近藤隆行氏

 G'zOneシリーズは、2000年に発売されたカシオ計算機製ケータイ「G'zOne C303CA」がそのルーツである。C303CAは当時としては珍しく「耐水(防水)性能」と「耐衝撃性能」を確保していた。

 2001年までに4モデル登場したシリーズはいったん途切れるが、2005年にシリーズ初の折りたたみボディーとカメラを備える「G'zOne TYPE-R」で“復活”した後は、概ね1〜2年ごとに新モデルが登場することになる。

 しかし「G'zOne TYPE-L CAL21」の発売後、カシオ計算機が携帯電話事業から事実上撤退したため(参考記事)、後継機種が登場することはなかった。

系譜 2000年にデビューしたG'zOne。カシオ計算機が携帯電話事業から事実上撤退した影響で、2012年のG'zOne TYPE-L CAL21を最後に新モデルが途絶えていた

 一方で、KDDIが行った自社調査によると、G'zOneシリーズを利用しているユーザーは、ケータイ(フィーチャーフォン)比率が今でも高い上、他メーカー/ブランドを利用しているユーザーと比べるとメーカー/ブランドに対するロイヤリティー(忠誠心)が高い傾向にあるという。端的にいえばケータイタイプのG'zOneがあるからauを使っているという人が少なくないようだ。

 冒頭で少し触れた通り、KDDI(と沖縄セルラー電話)では、2022年3月をもってCDMA 1X WINを終息する。現役のG'zOneシリーズは、“全て”がサービス終了または一時休止の対象となってしまう。このままでは、メーカー/ブランド忠誠心が高いG'zOneケータイ愛用者が「行き場」を失うことになる。

 そこで、G'zOneケータイ愛用者の「受け皿」作りと、ブランドの20周年記念事業を兼ねる形でG'zOneブランドのケータイの新規開発が決まったようだ。

調査 G'zOne TYPE-XXの開発のきっかけは、KDDIが実施したユーザー調査。行き場のないG'zOneケータイユーザーの「受け皿」を用意する必要があった

 ただ先述の通り、カシオ計算機は携帯電話事業から撤退している。KDDIはまず“メーカー”を検討する必要があった。この点については、G'zOneシリーズを事実上受け継ぐ形でタフネススマートフォン「TORQUE(トルク)」を開発していた京セラに開発と製造を依頼することで解決した。

 一方で、この計画の究極の目標は「G'zOneの“復活”」であるため、カシオ計算機の協力も欠かせない。KDDIが同社に話を持ちかけた所、G'zOneシリーズに携わったカシオ計算機のデザイナーが端末やユーザーインタフェース(UI)のデザインを担当することになった。

企画 G'zOne TYPE-XXの開発は、約4年をかけて進められた。デザインはカシオ計算機、開発や製造は京セラが担当する

 カシオ計算機の協力を得られたこともあり、G'zOne TYPE-XXは「G'zOneらしさ」が随所にあふれるケータイに仕上がっている。一部を除くG'zOneシリーズのアイコンになっているマルチサークルディスプレイやスクリューバッテリーロックを“再現”しただけでなく、初代(C303CA)へのオマージュとして円形テンキーも搭載した。「カシペン(カシオのペンギン)」も、“どこか”に隠し要素として登場する。

 タフネスさは時代に合わせて進化しており、米国防総省の最新調達規格「MIL-STD-810H」に定めのある19項目の耐環境試験に通過している。特に「塩水噴霧」への対応は、シリーズを通して初めてとなる。アウトドアで役立つ機能も複数備えている。

開発 2018年に作られたプロトタイプの模型(左)と、最終デザインの実機(右)。実機では当初想定していなかったバンパーを搭載している
マルチサークルディスプレイ マルチサークルディスプレイを見ただけでも「これだよ、これ」と思う人もいそうである
テンキー テンキー部のデザインはC303CAのオマージュとなっている
背面 背面のスクリューバッテリーロックも健在である
左側面 左側面には充電ホルダー(オプション)用の接点がある
右側面 右側面にはマナーボタン兼シャッターボタンと充電ホルダー用接点がある
下面 下部には充電や音声出力に対応するUSB Type-C端子を備える。もちろん、パッキン付きのふたで厳重に保護されている

オプション品も充実

 G'zOne TYPE-XXでは、純正の「au +1 collection」ブランドで以下のオプション品を用意する。参考に、KDDIが直営する販売店(au Style新宿)における販売価格も記載する。

  • 2WAYストラップ&マルチケース:3960円(税込み)
  • 卓上ホルダ:2750円(税込み)
  • 電池パック(1500mAh):1980円(税込み)
  • 京セラ3.5Φ Type-C変換ケーブル:1166円(税込み)
2WAYストラップ&マルチケース 2WAYストラップ&マルチケースは、カラビナ付きストラップとネックストラップを付け替えて使うストラップと、バッテリーや変換ケーブルを収納できるマルチケースがセットになっている。
マルチケース マルチケースには、純正の電池パック(バッテリー)と3.5mmイヤフォンマイクジャックへの変換アダプターも収納できる
卓上ホルダ 純正の「卓上ホルダ」も用意される。上から見るとナットの形
卓上ホルダ 実際に本体を入れてみた図。「卓上ホルダーはこれだよ、これ」という人もいるはずだ

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